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イチロー以来22年ぶりの偉業へ。吉田正尚が歩む首位打者への道。
posted2023/08/10 09:00
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Getty Images
1900年以降としては、'01年のイチロー以来、史上3人目となる新人資格のある首位打者に、レッドソックス吉田正尚が着実に近付いてきた。7月22日のメッツ戦。サイ・ヤング賞3回のマックス・シャーザーからの2安打を含む3安打の固め打ちで、打率を3割1分9厘まで引き上げ、ア・リーグの打率争いでトップに躍り出た。
累積される本塁打や打点と異なり、打率は上下動を繰り返すだけに、一時的な「首位」に変わりはない。実際、吉田自身、「数字は最終的なところ。変動もある」と、一喜一憂することはない。
もっとも、吉田が本命視される状況になったことも間違いない。現時点でライバル視される、ヤンディ・ディアス(レイズ)、ボー・ビシェット(ブルージェイズ)らは、規定打席に到達したうえで打率3割をクリアした経験はない。オリックス時代、5年連続で打率3割2分以上をマークし、首位打者2回の実績を持つ吉田は、タイトルへの道筋も知るだけに、一日の長があると言ってもいい。