メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
大谷翔平「トレードなし」のウラで、“大谷本命”球団の不気味すぎる動き「金満メッツが“120億”放出」「静かすぎるヤンキース」「ドジャースは…」
posted2023/08/09 17:01
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Nanae Suzuki
米国時間8月1日のトレード期限が終了し、注目を集めていたエンゼルス大谷翔平は、今季中の残留が確定した。エンゼルスがポストシーズン進出を目指して「買い手」に回るのか、チーム再建へ切り替えて「売り手」に回るのか不明だったこともあり、オールスター以降は、米国中のメディアが、大谷がトレードされる可能性について、ありとあらゆる角度から取り上げた。
だが、7月26日、エンゼルスは大谷放出を凍結し、ホワイトソックスから先発ルーカス・ジオリト、救援右腕レイナルド・ロペスを獲得するなど、2014年以来9年ぶりのポストシーズンを目指す姿勢を明らかにしたことで、ひとまず「大谷騒動」は沈静化した。
不気味すぎるメッツの“大金”放出
その一方で、今季のトレード市場では、少しばかり例年と異なる動きも見られた。その中でも、最も慌ただしく動いたのが、史上最高額の総年俸3億4400万ドル(約482億円)を投資して世界一を目指してきたメッツだった。オフ期間には、ジャスティン・バーランダーをはじめ、千賀滉大らを続々と補強し、優勝候補の最右翼に挙げられていた。ところが、開幕以降、不安定な戦いが続き、優勝争いから早々と脱落。オールスター後、クローザーのデービッド・ロバートソンを放出した時点で「売り手」に回ることが周知の事実となった。
通常、トレードの対象といえば、シーズンオフにFA(フリーエージェント)となる選手が基本とされてきた。ところが、今季のメッツは、ともにメジャー最高年俸の4333万ドル(約60億6620万円)でオプションを含め来季以降も契約が残っているマックス・シャーザーをレンジャーズへ、バーランダーを古巣アストロズへ放出した。
2人とも全球団へのトレード拒否権を持っていたものの、大富豪として知られるオーナーのスティーブ・コーエン氏、ビリー・エプラーGMらと話し合いを持った結果、ターゲットを「25年」以降に切り替える球団の方針転換を伝え、ベテラン2人の承諾を取り付けた。