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甲子園の風BACK NUMBER
MLBドラフト指名・西田陸浮(22歳)が語る“メジャー目指して留学”の実情「英会話経験ゼロから…」「奨学金400万を“自ら獲得”」
text by
樫本ゆきYuki Kashimoto
photograph byGetty Images
posted2023/08/03 11:03
今年のMLBドラフトでホワイトソックスから11巡目指名を受けた西田陸浮(オレゴン大)
メジャー目指して留学の「リアル」
最後に聞きたいことがあった。メジャーを目指して留学する選手が増えている昨今。挫折して帰国する選手も少なくない。日本人にとっての「障害」は何なのか? そして「高校野球」というキャリアは必要なのか?
「やはり言葉の壁と、孤独との闘い、そして差別、だと思います。昨年、母が亡くなったとき、ライバルチームの選手がそこをつついて自分に何か言ってきたときは気分悪かったです。そういうところは日本より攻撃的かもしれません。
ただメジャーを目指す中学生にとっても、高校野球はやるべきだと思います。アメリカの高校野球は学校が所属するカンファレンスやディビジョンによって試合規模が変わるんですよ。小さい学校は小さい学校としか試合ができない。強い学校とできないんです。日本の高校野球は甲子園を目指すという過程そのものが素晴らしいし、魅力的です。そして大学野球なら、アメリカが魅力的。僕はイイトコドリしました(笑)」
とはいえ経験者としての忠告も忘れない。
「海外留学はおすすめですけど、親の色眼鏡だけで行かせたいと思うなら、絶対にやめたほうがいいですね。あくまでも本人の意思が大事です」
西田は将来、自分のような夢を抱く野球少年少女に向けたサポートができる環境を、作っていきたいと考えている。
アメリカの大学からメジャーを目指す自称「西田式」。野球のキャリアが変わりつつあることを実感した。
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