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「甲子園に行くってメリットあるんですか?」有望中学生の質問にハッとした話…好きなプロ野球選手は“とにかくカッコいい”マックス・クラーク

posted2023/08/03 11:02

 
「甲子園に行くってメリットあるんですか?」有望中学生の質問にハッとした話…好きなプロ野球選手は“とにかくカッコいい”マックス・クラーク<Number Web> photograph by Yuki Kashimoto

ポニーリーグ、6月のアジア大会「U16コルトの部」で優勝した日本代表選手たち

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樫本ゆき

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Yuki Kashimoto

 有望選手は甲子園に出て活躍して、プロを目指す――そんな価値観が変わりつつあるのかもしれない。メジャーを夢に「アメリカの高校」を志望する中学生、そして日本の強豪校から米大学に留学後MLBからドラフト指名を受けた西田陸浮。2人の取材から、野球キャリアの変化を探った。〈全2回の#1/#2へ〉

 ◆◆◆

「甲子園に行くことって、どんなメリットがあるんですか?」

 中学生からの質問にハッとした。今までそんな疑問を投げかけられたことがなかったからだ。質問主は、中学硬式野球・ポニーリーグの神田Rebaseポニーに所属している中学3年生の外野手・松本怜青(れあ)だ。全国的にはまだ無名の選手。16歳以下で構成される「U16コルトの部」の日本代表選手として、6月のアジア大会(千葉開催)で優勝。決勝のフィリピン戦では低反発バットで市原ゼットエーボールパークの右翼98mのフェンスに直撃する三塁打を放った。7月下旬のコルト・ワールドシリーズ(米・イリノイ州マリオン市)進出の立役者となった一人だ。

憧れの「マックス・クラーク」…何者?

 そんな松本は同じ左投げ左打ちの高校生外野手「マックス・クラーク」を崇拝している。7月のメジャードラフト会議で米・フランクリンコミュニティ高校からデトロイト・タイガースのドラフト1巡目(全体3位)指名を受けた、俊足巧打の高校3年生だ。日本も参加した2022年のU18W杯・カナダ戦で、同点2ラン、決勝で3安打を記録。投手も兼任して優勝に貢献したメジャーのスター候補である。

 憧れの理由を、松本は瞳を輝かせてよどみなく話す。

「身長は185cmで小柄なんですけど、身体能力がすごいんです。MLBの指標となっているファイブツール(ミート力、長打力、走力、守備力、送球力)で総合60点くらいあって(高水準な選手を表す)『5ツールプレイヤー』と言われています。ピッチャーとしても155くらい投げるんです! 野球の能力はもちろんなのですが、一番好きなところは、とにかくビジュアルがカッコいい!」

【次ページ】 「甲子園行きたい」は今も多いが…

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