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甲子園の風BACK NUMBER
MLBドラフト指名・西田陸浮(22歳)が語る“メジャー目指して留学”の実情「英会話経験ゼロから…」「奨学金400万を“自ら獲得”」
posted2023/08/03 11:03
text by
樫本ゆきYuki Kashimoto
photograph by
Getty Images
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MLBドラフトで、シカゴ・ホワイトソックスから11巡目(全体329位)で指名されたオレゴン大3年の西田陸浮。ダルビッシュ有の母校・東北高校から「社長になるための勉強がしたい」と、アメリカの短大に留学。英会話経験なし、「A、B、Cからスタート」という状態から自力で道を切り開き、メジャー入りを実現させた。アメリカの短大から、全米トップ20に入る野球の名門大学に返済不要の奨学金を受けて編入。夢のようなアメリカンドリームの裏には、ずば抜けたコミュニケーション能力と、不屈のポジティブシンキングがあった。
西田が語る「ツイッターで発信」の意味
帰国中の西田を取材した。まずはMLBドラフト指名時の周囲の反響から。
「LINEは何件来たかわからないほど来て、インスタは休止しました。メンションが200件以上来たので、ストーリーズが米粒みたいになってましたね」
地元の友達や、高校時代のチームメート、恩師、関係者、いろいろな人から「おめでとう」「やったな!」のメッセージが一気に届いたため、SNSがバグを起こしたそうだ。西田はInstagramに電話番号を、ツイッターにはメールアドレスを公開して外部からの受け入れをオープンにしている(今は無記載)。不特定多数の人から連絡がきて困らないかと心配になるが、それも「戦略」の一つなのだそうだ。
「(メールは)来ますよ、いっぱい(笑)。でもこれって大事なんですよ。アメリカの大学っていい選手をツイッターから見つけてコンタクトを取るんです。自分もプレー動画を出したら、大学の監督やコーチから『君、いいね』って連絡がいっぱいきました。スポンサーもたくさん。自分ってちょっと特殊で、リーグ戦で金属バットを使わず、木で打ってたんですよね。(バットが折れるので)スポンサーがついてくれたのが助かりました。靴もナイキのスパイクだけで12足も提供してもらいましたよ」