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5-0快勝なでしこジャパン「雰囲気がとても良い。ピッチに立ちたくなった」“41歳でMVP”安藤梢が語る“12年ぶりの世界一”の可能性は?
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byGetty Images
posted2023/07/25 17:01
大会前の親善試合でドイツに勝利していたザンビアから5ゴールを奪ったなでしこジャパン。W杯12年ぶりの世界一へ好スタートを切った
――安藤さんを“師匠”と慕う猶本光選手(29歳/三菱重工浦和レッズレディース)からは連絡がきましたか?
安藤 やり取りはしましたね。
――勝ったよ!といった報告ですか?
安藤 いえいえ(笑)、もっと詳しいサッカーの話をしています。あのプレーどうでした?みたいな感じです。
――どんな内容でしたか?
安藤 言ってもいいのかな?(笑)。ザンビア戦では短い時間のプレーでしたけど、私が嬉しかったのは“闘えていた”というところ。キックなど技術的な部分がフォーカスされがちな選手ですが、彼女の良さは闘う姿勢を見せられるというところなんです。初めてのW杯でも球際のところでは強さを出せて、短い時間でもチャンスを演出できていたのではないかと伝えました。あとは、何回か裏に抜けたシーンがありましたが、動き出しのタイミングなども話をしましたね。
「勝ち点6」でスペインと対戦したい
――さて、次戦はコスタリカ、3戦目のスペインと続きます。今後の展望を教えてください。
安藤 ザンビアに5-0で勝ったことでいいムードではありますが、まだ何も手に入れていなくてここからが新たな勝負です。ワールドカップはどの相手でも勝つことがすごく難しい。一戦、一戦という考え方がすごく大事になります。コスタリカ戦でもまた良い試合をして、勝ち点3を積み重ねる。そうするとまたチーム力も上がる。勝ち点6を獲得した状態で(強豪の)スペインとやりたいところです。
――2011年ドイツ大会ではグループリーグ3戦目にイングランドに敗れ、そこでの奮起が優勝へのポイントになりました。
安藤 もちろん勝ってグループリーグ1位で決勝トーナメントに行きたかったけど負けてしまいました。でもその敗戦をプラスに変えて、1試合1試合成長して世界一に辿り着きました。それを考えても、まずは次戦のコスタリカに勝った状態でスペインにプレッシャーを与えたいですよね。
――「2位通過でもいい」といった考え方にはならないものですか?
安藤 チーム、選手は1位通過しか考えていないはずです。それに次の組み合わせを考えた時に、1位の方が優位に立てますし(C組の日本は1位通過なら開催国のニュージーランドが属するA組の2位と、2位通過ならA組1位と対戦する)。あとは、1位でグループリーグを突破することでさらに自分たちが勢いに乗っていけるので、変に計算せず勝利だけを狙ってあと2試合戦うはずです。