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5-0快勝なでしこジャパン「雰囲気がとても良い。ピッチに立ちたくなった」“41歳でMVP”安藤梢が語る“12年ぶりの世界一”の可能性は?
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byGetty Images
posted2023/07/25 17:01
大会前の親善試合でドイツに勝利していたザンビアから5ゴールを奪ったなでしこジャパン。W杯12年ぶりの世界一へ好スタートを切った
――解説でも「初戦の大切さ」をお話しされていましたが、その点についても改めて。優勝した2011年ドイツ大会、準優勝した2015年カナダ大会は共に白星スタート。一方、16強に終わった2019年フランス大会は引き分けスタートでした。
安藤 自分たちを勢いづける意味でも初戦は大事。逆に2、3戦目のことはあんまり考えていないと思います。外から見ていると、次戦のコスタリカやスペインとの試合を意識してしまいますが、ピッチに立つ選手やチームは初戦にすべてを懸けているぐらいの感覚のはず。初戦に結果がでないと、今までやってきたことに不安を抱いてしまうんですよね。こうやって快勝したことで「やってきたことが結果につながった」と自信を持っていけると思います。
多彩なタレント集団「よく連動できていた」
――今回のなでしこジャパンについて教えてください。初戦を見ても、多彩なタレントが揃っていて穴のないチームに見えました。
安藤 そうかもしれないですね。フォワードでは田中美南選手(29歳/INAC神戸レオネッサ)と植木理子選手(23歳/日テレ・東京ヴェルディベレーザ)というタイプが異なる選手が揃っていて、チームとして2人で何か変化をチームとしてつけられるというのはすごく強みだと感じました。ザンビア戦ではそこに絡むインサイドハーフに宮澤ひなた選手(23歳/マイナビ仙台レディース)と藤野あおば選手(19歳/日テレ・東京ヴェルディベレーザ)が起用されましたが、誰が出場してもそれぞれの持ち味があり、チームとしてバリエーションが増えるので、いろいろな変化をつけられて面白いですよね。
――中盤も技巧的な選手が揃い、「あんなに展開力があったのか」と驚かされました。
安藤 展開力がある中盤の選手が、前線の選手を輝かせていますよね。ボランチで起用される長谷川唯選手(26歳/マンチェスター・シティ)は、裏を抜けるプレーもありますが、ザンビア戦では前線に速い強烈な選手がいたこともあり、いつもより守備的でしたが、そこから相手の最終ラインがバラバラになったところをつくパスで何度もチャンスを演出していました。前線の選手たちも彼女が顔をあげた瞬間にうまく動き出していて、よく連動できていたなと思います。
――19歳藤野選手も存在感がありましたね。惜しいシュートが何本もありました。
安藤 初戦で勝てたことは嬉しいと思いますが、攻撃の選手としてゴールを奪い切れなかったことは彼女の中ですごく悔しかったと思います。でも、初めてのワールドカップであれだけのプレーができ、自信にもなっていると思うので、次は自分が決めてやるみたいなポジティブな感情でコスタリカ戦に臨んでほしいですね。