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「好きなカンジは『力』です」DeNAウェンデルケン30歳が明かす“日本に来た理由”「野球熱のある日本でプレーしたい」「実は以前、日本で…」
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2023/07/17 11:03
来日1年目から中継ぎとして活躍を見せるウェンデルケン。来日から活躍の理由までを語ってくれた
「JB(ウェンデルケンの愛称)は、すごく頑張ってますよね。決してコンディションを乱すことなく、毎回しっかりやってくれるし、それって本当に難しいことなんです。ベース上でのボールの力強さはもちろん、後ろ(テイクバック)が小さくて、ポンッてボールが出てくるので、バッターはスピード以上に速く感じていると思います。たとえ真っすぐが狙われてもファールでカウントを奪える強みがあるし、投球の間合いも変えてくれるので、こっちからしたら非常に助かっています。今はパワーと奥行きで勝負しているけど、カットとか横系の変化球も持っているので、相手が対策してくるようであれば、もしかしたら使う機会もあるかもしれません。とにかくチームにとっては大きな戦力ですし、しかもナイスガイ(笑)。自分としてもしっかりとサポートしていきたいですね」
実は2015年、2019年に来日していたJB
すでにウェンデルケンは、チーム内で頼りにされていることはもちろん、敬愛すべき存在にもなっているようだ。
ウェンデルケンのキャリアを振り返ると、日本とは浅からぬ縁がある。シカゴ・ホワイトソックス時代の2015年、『第1回WBSCプレミア12』でアメリカ代表の一員として、そして2019年にはイチローの引退試合の相手であるオークランド・アスレチックスのメンバーとして来日をしている。そのときの日本の印象をウェンデルケンは次のように語った。
「とくにプレミアのときですけど、登板機会はなかったものの本当に素晴らしい経験をしたんです。とにかく日本のファンは試合中、一球一球にしっかり入り込んで野球を見てくれる。まるでゲームに参加しているように。その印象がすごく強くて、ベイスターズからオファーを受けたとき、ああ、あそこで野球ができるんだって思ったんですよ」
DeNAから「とにかく日本に来て欲しい」という熱意を感じた
ウェンデルケンの昨季のスタッツは、アリゾナ・ダイヤモンドバックスで29試合を投げ、防御率5.28と厳しいものだったが、一方で7月以降は3Aで20試合に登板し、5勝1敗4セーブ、防御率2.63 という数字を残している。今季を30歳で迎えることを鑑みれば、まだまだMLBへ挑戦できたはずだが、なぜDeNAのオファーを受けたのだろうか。