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「好きなカンジは『力』です」DeNAウェンデルケン30歳が明かす“日本に来た理由”「野球熱のある日本でプレーしたい」「実は以前、日本で…」
posted2023/07/17 11:03
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
JIJI PRESS
「ボクが一番大事にしていることは、今この瞬間を、とにかく“楽しむ”ことなんだよ」
今シーズンから横浜DeNAベイスターズに加入したリリーバーのJ.B.ウェンデルケンはそう言うと、ニコニコとして快活な笑顔を見せた。
185cm、109kgのタフネス右腕
MLB通算144試合で登板した右腕のウェンデルケンは、185cm、109kgのがっちりとした体格だ。太い下半身と分厚い胸板、間近で対面すると肩から腕にかけての筋肉の盛り上がりには迫力があり、パワーピッチャーであることに納得がいく。
今季のDeNAの外国人選手といえば、サイ・ヤング賞右腕のトレバー・バウアーに注目が集まるが、チームのことをよく見ている人間ほど、ウェンデルケンのチームへの貢献度に頭が下がる。ここまで31試合に登板し、防御率1.48(7月14日現在、以下同)という好成績。ビハインドだろうが同点だろうがリード場面であろうが颯爽とマウンドに現れ、眼光を炯々とさせて仕事をこなす。
日本に来て一番ブラッシュアップされたのは…
平均球速150kmのフォーシームを軸に、ゾーン内で勝負できるチェンジアップ、そして空振りを奪えるナックルカーブで緩急を上手く使い、相手をねじ伏せていく。前半戦、首位争いをしてきたDeNAだが、もしウェンデルケンがフル稼働していなかったら厳しい状況になっていたかもしれない、と思えるほどのタフネス右腕だ。
今季ここまでの自己評価を尋ねると、ウェンデルケンは次のように語った。
「シーズンをすごく楽しめているよ。齋藤(隆)コーチからも言われていることなんだけど、日本でプレーする上で一番考えているのは、ゾーン内に投げる確率を上げること。シンプルなテーマだけどチーム全体として取り組んでいることだし、初球でストライクを取ることで、有利なカウントを確実に作りやすくなる。強い打球を打たれたくないためにフォアボールを出してしまうこともあるんだけど、それでもやはりゾーン内で勝負することを意識しているし、日本に来てそこが一番ブラッシュアップされた部分だと思うよ」
日本人打者の印象は?
では日本人打者の印象はどうだろうか。シーズン前にウェンデルケンは、同僚のネフタリ・ソトから「メジャーだと外角への変化球で空振りが取れるけど、日本では難しいし、苦しむ可能性がある」とアドバイスを受けている。