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「好きなカンジは『力』です」DeNAウェンデルケン30歳が明かす“日本に来た理由”「野球熱のある日本でプレーしたい」「実は以前、日本で…」
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2023/07/17 11:03
来日1年目から中継ぎとして活躍を見せるウェンデルケン。来日から活躍の理由までを語ってくれた
「やはり選手として一番うれしいことは必要とされることなんです。アメリカの球団との契約には、いろいろな制約や条件がありました。けれどベイスターズの場合は、とにかく日本に来て欲しい、という熱意を感じたんです。ボクが入団するにあたってのプランを明確に提示してくれるオファーだったので、選手として本当にありがたかったし、うれしかった。それに、あの日本での経験も大きな決め手になりました。野球熱のある場所でプレーしたい。自分としても改めて新鮮な気持ちで、熱い野球がしたいなって思ったんですよ」
静かな口調で淡々と話してはいたが、ウェンデルケンの発する言葉が熱を帯びているのを感じた。野球人として心を燃やす場所を欲していたのだろう。
横浜のファンは日本一
「実際ベイスターズでプレーをして、自分の選択は間違っていなかったと思っていますし、過去最高の経験をしている実感があります。チームは若く、明るく、活気があって、そしてファンの熱量がすごい。いつもすごく大きな声援がブルペンにいても聞こえてきますし、横浜のファンは日本一だと思いますよ。こういった環境で野球ができるのは本当に幸せだし、改めて、野球に対する愛を見つけることができました」
DeNA自慢の剛腕投手は、とにかく野球を“楽しむ”ことができているようだ。一緒に来日し、かたわらで寄り添うウェンデルケン夫人もSNSで日本での生活模様を発信するなど、幼く愛らしい娘の存在も含め、家族ともども毎日をエンジョイしていることがわかる。
楽しむと同時に幸せになることが重要
「いい試合もあれば悪い試合もありますが、そんなときでも家に帰れば家族が迎えてくれるし、こんなありがたいことはないと思っているんですよ。でもこれは、単に与えられた、当たり前なことではありません。だからこそ求められる場所でしっかりと結果を残して、野球を“楽しむ”と同時に“幸せ”になることがとても重要なんです」
ハートフルな話をしているときのウェンデルケンは、マウンドの上とは別人だ。どこか慈愛に満ちた人生の求道者といった風情がある。
話題となりつつあるボールへの日本語チョイス
すでにファンの間でも人気のウェンデルケン。球団公式SNSではウェンデルケンが自筆でボールに日本語を書いている投稿が多々アップされ話題になっている。「ああ、あれですか」と笑ってウェンデルケンは、始めたきっかけを教えてくれた。