「最初はお遊びで日本語を書いていたんですけど、試合後にスタンドにボールを投げ入れると聞いて、せっかくなら何か意味のある言葉を書こうと始まったことなんです。それがどんどん話題になってしまって（笑）。えっ、好きな漢字ですか？ うーん……『力』ですかね。一番簡単なので（笑）」

　まさにパワーピッチャーを表す、これ以上ない言葉である。

I will be happy!

　さて後半戦、いつなんどきもマウンドに立つウェンデルケンの貢献がチームにとって必要不可欠であることは言うまでもない。目指すべき高みを見つめ、ウェンデルケンは言う。

「これからがすごく楽しみだな、というのが正直な思いです。皆さんの声援に応えられるように、諦めずに最後まで戦っていきたい」

©Kiichi Matsumoto

　では“楽しむ”こと以外の目標は？

「そうですね。ケガをしないこと、どんな場面でも投げること、そして優勝に貢献することです」

　最後に「I will be happy!」と言うとウェンデルケンは、はにかんだような笑顔を見せた。この敬愛すべき頼りになる助っ人リリーバーが今季を最高に“楽しむ”ことができたあかつきには、きっとチームやファンの望む“幸せな”場所に到達できるのではないかと、思わずにはいられない。

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