ブラン監督は守護神に対し、「彼を最初に招集した時から、世界のベストリベロになると期待していたし、実際に今、彼は世界一へのステップを歩んでいる」と大きな信頼と期待を寄せる。

　伊藤健士コーチもこう話していた。

「今みんな、リベロのほうにスパイクを打ってこなくなっている。山本を避けるんです。世界が山本を恐れています。

　ネーションズリーグ前に行われたポーランドとの強化試合の時から、試合中にポーランドの監督が『リベロに打つな！』って。そうしたら選手が、リベロに打たないように意識するあまり変なミスを出し始めました。（サーブだけでなく）スパイクで、相手の監督に『リベロに打つな』と言わせるなんて、すごくないですか？（笑）」

守備範囲の広い山本（20番）の存在は対戦相手からすると脅威だ　©︎FIVB

　しかも山本は、そうして世界を恐れさせるようなプレーを、楽しそうにやってのける。プレーはもちろん、世界トップレベルの舞台やプレッシャーのかかる場面でも心の底からバレーボールを楽しんでいる姿が、何より魅力的な選手だ。

　予選ラウンド第3週に向けても、「（最終戦で対戦するポーランドのエース）レオンのスパイクが来たら、力入るだろうなー」と言いながら、対戦を心待ちにしている様子だった。

　それは山本だけではない。今の日本代表の選手たちは、世界の強豪との戦いを楽しんでいるように見える。楽しみながらチャレンジする精神と、勝つごとに積み上げられていく自信が、今の日本代表の原動力だ。

　7月7日からは予選ラウンド最後の、強豪との3連戦（オランダ、イタリア、ポーランド）が行われ、7月20日にはファイナルラウンドが開幕する。選手たちはそこが本当の勝負だと捉えている。

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