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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「エンゼルスはオオタニを出さない方針を固めた」地元LAタイムズ記者が明かす“大谷トレード”最新事情「今年、エンゼルスは勝負に出ている」
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byNanae Suzuki
posted2023/07/04 11:03
昨季もトレード話が浮上し、日本からも多くの注目を集めている大谷の去就先。最前線で取材を続ける記者に話を聞いた
「もちろん大谷の活躍が一番ですが、オフに補強したハンター・レンフロー、ブランドン・ドゥルーリー、ジオ・ウルシェラなどは、決してスター選手ではありませんが、プロフェッショナルな選手。打撃に粘りがあるし、相手投手の攻略法などが一致していたり、打線全体がまとまっているのも昨年までとの違いです」
大谷、マイク・トラウトとメジャーを代表する大砲が揃っていても、毎試合、打線として機能するとは限らない。得点源の2人を補う役割を担う「脇役」や「つなぎ役」が揃った今季は、得点パターンが多様化し、攻撃力は着実にアップした。
大谷とコービーは似ている
では、今やトラウトをも凌ぐほどの存在感となった大谷は、どこまで自らのステージを上げて行くのだろうか。他競技の取材歴も豊富なヘルナンデス記者は、今は亡き、NBAのスーパースター、コービー・ブライアント(レイカーズ)の生き様と共通点を感じるという。
「コービーは、高校時代の最初の頃、さほど注目される選手ではなかったんです。でも、周囲が試合後にレストランへ行くと行っても、1人でジムに向かうような努力家でした。みんなが1回練習するのを、自分が2回やれば、1年間で2年分練習できる。そうすれば、それが差になる。最初は追い付こうと頑張って、その後は追い抜いて、さらに差を付ける。大谷の生き方も似ています。最初は無理と言われた二刀流を続け、日本でもメジャーでもダントツの存在になった。永遠に続くわけではないけど、これからまだまだ差が開くと思います」
チームの雰囲気を変えられる存在になった
そんな自らの立ち位置を、大谷自身はどの程度、理解しているのだろうか。同記者は大谷のチーム内での振る舞い、表情の変化に、リーダーシップに近い自覚を感じ始めた。