- #1
- #2
セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
80歳超えて茶髪に植毛、精力絶倫で“54歳年下妻”と…ミラン名物会長ベルルスコーニの剛腕人生「キャプテン翼」欧州大ヒットも仕掛け役?
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2023/06/27 17:01
06-07シーズンのCL制覇時のミランとベルルスコーニ会長
「あなたと過ごしたのは忘れようもなく美しい時代でした。ありがとう、プレジデンテ」(1988年・89年・92年バロンドール受賞/マルコ・ファンバステン)
「訃報に心からお悔やみ申し上げます。あなたのおかげで私の人生はこれからもずっとミランと結ばれていくことでしょう」(07年バロンドール受賞/カカ)
「我々全員にとってあなたは単なる会長ではなかった。友であり、父親であり、監督でもありました。ご冥福を祈ります」(選手・副監督として37年在籍/マウロ・タソッティ)
「あなたは天才であり、夢追い人だった。我々の国イタリアを変えた、偉大な友でもありました。あなたのおかげで我々ミラニスタは30年以上の長きにわたって夢のような時間を過ごせました。あなたは不世出の人です」(元主将・前TD/パオロ・マルディーニ)
スタジアムが「シルビオ・ベルルスコーニ」に改名?
ミラン界隈の識者やOB、ファンの間では、ミラノ市南東部に建設用地取得を検討している新しいホームスタジアムを「シルビオ・ベルルスコーニ」と命名してはどうか、否、是が非でもそうするべきだという声が急激に高まっている。
現在の親会社である米国の投資会社「レッドバード」の代表ジェリー・カルディナーレと経営陣が新スタジアム建設にかける意欲は強い。計画が順調に推移すれば、2028年にもオープンが見込まれており、スタジアムのネーミングライツ販売は収入の大きな柱になるだろう。
ただし、ベルルスコーニはオーナー時代の31年間に5度のUEFAチャンピオンズカップ/リーグ制覇含むタイトル29個を獲得した現代サッカー界の巨人であり、自らの名を冠したスタジアムが彼の悲願だったことは有名だ。また公共建造物でもないため、命名権はミランにある。今後、建設計画が進めば大きな議論を呼ぶだろう。
高齢だったとはいえ、いささか唐突な死だった。
6年前、当時80歳でミランを売却した際、「これを機にベルルスコーニを表舞台で目にすることは少なくなるだろう」とコラムに書いたが、僕が浅はかだった。
翌18年、ベルルスコーニは「やっぱりサッカーが恋しい」と、親友ガッリアーニの故郷で古巣でもある3部モンツァを買収。22年夏、クラブ創設110年目にして悲願のセリエA昇格を実現させた。