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大谷翔平の活躍に“ガックリ”の敵将「オオタニは驚異的すぎる」 指揮官の間でも“ファン増加中“の今「監督の立場が第一なのはわかっているが…」 

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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photograph byNanae Suzuki

posted2023/06/23 17:24

大谷翔平の活躍に“ガックリ”の敵将「オオタニは驚異的すぎる」 指揮官の間でも“ファン増加中“の今「監督の立場が第一なのはわかっているが…」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

投打で好調を続ける大谷翔平。6月には自身5度目の週間MVPに選ばれた

敵チーム監督の“止まらない嘆き”「驚異的すぎる」

 この4連戦で大谷が放った4本塁打いずれも、中堅より左への逆方向弾となった。初戦の19号本塁打は飛距離459フィート(約140メートル)。今季自身最長タイ、逆方向弾に限れば最長だった。3戦目に放った21号は左打者が放った逆方向弾としては歴代最速の打球速度116.1マイル(約187キロ)を記録した。ボウチー監督は嘆き続けた。

「今の彼は失投を見逃さない。確実に仕留める」

 また、名将は地元ラジオ局のインタビューにはこんな言葉を残していた。

「ユニコーンを超える選手はどこにもいない。投打両方にわたり、彼の成し遂げていることは驚異的すぎる」

嘆きはラブ・コールに変化「私はファン」「大好きだ」

 そして、ついに。敵将たちが送る畏敬の念はラブ・コールへと変わった。

 6月21日。大谷はメジャー6年目にして初めてドジャース戦で登板した。7回5安打1失点の好投。敗戦投手にはなったが、12三振を奪う快投。直球の最速は100.3マイル(約161キロ)を計測し、全101球のうち、球数、割合ともに今季最多の50球。魔球スイーパーは今季最少の12球に抑える力勝負を挑んだ。この投球にデーブ・ロバーツ監督は立場を超え、表情を崩し、語った。

「今夜の私はファンのような気持ちで彼の投球を見ていた。我々の打線を圧倒し100マイル(約161キロ)を投げる。その攻め方が大好きだ」

止まらないラブ・コール「称賛せずにはいられない」

 大谷の花巻東高時代から密着マークを続け、日本ハムが強行指名しなければ、ドジャース入団は確実視されていたと言われる。今オフにFAとなれば、移籍先として最有力候補になると言われるのもドジャースだ。ロバーツ監督のラブ・コールは続いた。

「監督の立場を第一に考えないといけないのはわかっている。だが、ファンとして称賛せずにはいられない」

 大谷翔平が凄すぎる野球選手であり続けるからこそ、あり得ないことが起こり続ける。まだシーズンは半分ほど残っている。覚悟して取材に臨みたい。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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