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大谷翔平の活躍に“ガックリ”の敵将「オオタニは驚異的すぎる」 指揮官の間でも“ファン増加中“の今「監督の立場が第一なのはわかっているが…」 

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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photograph byNanae Suzuki

posted2023/06/23 17:24

大谷翔平の活躍に“ガックリ”の敵将「オオタニは驚異的すぎる」 指揮官の間でも“ファン増加中“の今「監督の立場が第一なのはわかっているが…」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

投打で好調を続ける大谷翔平。6月には自身5度目の週間MVPに選ばれた

大谷は“浮かれる報道陣”を冷静にたしなめるように…

 5月末、大谷は苦しんでいた。高めの直球に振り遅れ、低めの変化球に体勢を崩され、19日から29日の10試合では打率.135と打てなかった。復調のきっかけとなったのは今季初の1試合2本塁打を放った31日のホワイトソックス戦だった。

 数日前から膝を深めに折り重心を下げた。加えてこの日から構えた際のバットのグリップの位置をヘルメットのツバの上から下へと変えた。およそ15センチのアジャスト。その結果が2本塁打につながったのか。色めく報道陣に大谷はこう答えた。

「ひとつの要因ではないので。今回はグリップ(の位置)だったりいろいろありましたけど、感覚はその時によって違う。上げた方がいいなと思う時もあれば、下げた方がいいなと思うこともある。その時によって違うかなと思います」

 端的な変化に食いつきがちな報道陣に対し、大谷は“打撃とはそんな容易いものではない”と言っているようだった。

 だが、今回で言えば、グリップを下げたスタイルはそのまま続いている。微調整は更に続き、6月20、21日のドジャース2連戦では右投手の場合は左肩の上、左投手の場合は左肩の下へとグリップの位置は変わっていた。

「構えだったり、見え方が一番」

 構えた際のフィーリングを最も大切にする大谷にとって、日々微妙に違う体の状態と打撃感覚とを合わせる作業は続く。

敵チーム監督はガックリ「オオタニは我々を葬った…」

 とはいえ、一度“ゾーン”に入るとしばらくは手がつけられない。それが今の大谷。その好調は現在も続いている。

 6月12日から始まった、西地区首位を走るレンジャーズとの4連戦での爆発は凄まじかった。

 4戦4発。12打数7安打、打率.583。加えて1犠打、7四球で出塁率はなんと.700。歴代10位のメジャー通算2045勝を誇る敵将ブルース・ボウチーは白旗を上げた。

「He killed us」(彼は我々を葬った)

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