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大谷翔平の活躍に“ガックリ”の敵将「オオタニは驚異的すぎる」 指揮官の間でも“ファン増加中“の今「監督の立場が第一なのはわかっているが…」
posted2023/06/23 17:24
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Nanae Suzuki
大谷翔平が週間MVPに選ばれた。百数十年にも及ぶ米国のナショナルパスタイムの歴史を次々と塗り替え、新たな歴史を築き上げる男の偉業を考えれば、選出自体に大きな感慨はなかった。だが、日本人最多に並ぶ5度目の受賞となれば、話は別だ。
大谷が肩を並べたのはメジャー通算3089安打、日米合算で世界最多の4367安打を放つイチローさんだ。レジェンドがメジャー16年目の8月に記録した5度目の金字塔を大谷は6年目の6月に達成した。まだ28歳。これからどれほどを積み上げていくのだろうか。想像もつかない。
打率.435、6本塁打、12打点。出塁率と長打率を合わせたOPSは驚異の1.893。合わせてレンジャーズ戦での先発登板で挙げた今季6勝目もある。これだけの成績を残せば競合相手は皆無に近かった。それほどの圧勝だった。
大谷本人が語る「打撃好調の理由」とは?
これまでも6月はキャリア最高の月間成績を残してきた。昨季まで、打率.314、28本塁打、62打点。その理由を聞かれた大谷は答えた。
「バッティングの改善は、基本的に(シーズンが)進んでいった方が打席の慣れも含めて良くなるのではないかなと思う。いい月が被っているのはたまたまだと思います」
イチローさんも同じようなことを言っていたのを思い起こす。
「自分のその年の技術と相手投手の攻め方、頭と体が一致しだすのは、シーズンが始まってひと月くらいですかね」
イチローさんは5月に調子を整えた。それでも打撃とは精密機械の調整の如く難しい。どれだけ偉大な打者であっても、シーズンを通して終わりのないアジャストは続く。