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「あれが三笘伝説の始まりですね」筑波大時代から三笘薫はやっぱりスゴかった! J1仙台相手に衝撃ゴールも…「本当にパスしないんですよ」
text by
原山裕平Yuhei Harayama
photograph byKiichi Matsumoto
posted2023/06/26 17:01
6月のペルー戦で1ゴール1アシストの活躍をみせたサッカー日本代表の三笘薫。筑波大時代の同期が大学時代の三笘の無双ぶりを明かした
翌2017年、2年生になった4人はそれぞれがレギュラーポジションを確保する。上級生にも戸嶋をはじめ、中野誠也(現大宮アルディージャ)、西澤健太(現清水エスパルス)らタレントが揃ったこの年の筑波大は、実に13年ぶりに関東大学リーグを制することとなった。
リーグ優勝以上のインパクトを放ったのは、Jクラブを次々に撃破した天皇杯だった。なかでも語り草となっているのは、2回戦のベガルタ仙台戦だ。大学生がJ1チームを翻弄するジャイアントキリングの主役となったのは2得点を奪った三笘である。ゴールマウスに立っていた阿部にも、そのパフォーマンスは衝撃的に映った。
「あれが、三笘伝説の始まりですね」
実は三笘にとって、この仙台戦は待望の実戦だった。およそ1カ月半前に行われたリーグ戦の流通経済大戦で、三笘は執拗なマークに苦しみ、異議とラフプレーで警告2枚を受け、退場となってしまう。以降、三笘は試合に使われることがなかった。
久しぶりの試合を前にした三笘から、阿部はこんな言葉を耳にしている。
「この試合でやらないとやばいと言っていたのを覚えています。かなり気合いが入っていましたし、危機感があったと思います。その状況であのプレーが出せたので、メンタルは相当強かったですね」
三笘が見せた圧巻のプレーと執着心
あのプレーとは前半6分に生まれた先制点を指す。自陣でボールを受けた三笘は1人、2人と相手をかわし、スピードに乗ったままエリア内に侵入。寄せてきたDFをものともせず右足を振り抜き、鮮やかな一撃を仙台ゴールに叩きこんだのだ。
追い込まれた三笘が見せた圧巻のプレーは、自らのドリブルに対する自信の表れでもあった。阿部は三笘のドリブルに対する執着心に舌を巻く。
「本当にパスをしないんですよ。どんな位置からでもドリブルで行くみたいな感じで。僕とか哲(山川)とか、後ろの選手はパスしろと言うんですけど、それでも自分で行っちゃう。失って、文句を言われても、また次の場面でも仕掛けていく。目指しているところが1人だけ違う感じは、当時からありましたね」
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