「妻がいつもポジティブに声をかけてくれるんです。どんなに打たれても『絶対に大丈夫だから』『運気は向いているし頑張っていこう！』って、試合後に言ってくれて、すごく大きな存在ですね」

　今季の活躍を誰よりも喜んでくれているのは、言うまでもなく東を支えてきた家族である。

球団は待っていてくれた

「子どもが2歳半になるんですけど、球場に足を運んでくれて楽しんで応援してくれているみたいなので、それもすごく励みになっているし、頑張ろうって。あと1年目以降苦しんだにも関わらず球団は待っていてくれたので、本当に感謝というか恩返しをしていきたいといつも思っています」

　そのチャンスは今季、訪れたといってもいいだろう。圧巻の投球で新人王になった過去があり、またTJ手術後の諸説によってメディアはあの当時や球速がどうのと比較しようとするが、もはや東は同じ物差しで語れるピッチャーではない。人間、変化することは容易ではないが、東はそれを覚悟をもって受け入れ、現地点では成就させている。もちろんこれからが大事であることは、本人も重々承知だ。

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まだまだ妻の支えが必要になりますね

「とにかく先発として役割を果たせるように、長いイニングを投げて試合を作っていきたい。数字的にいえば規定投球回数をクリアできるようにしたいですけど、まずはチームの勝利に貢献するために一試合一試合を丁寧に投げて行くこと。これから夏場になって体力的な部分の消耗も激しくなるので、睡眠や食事、リカバリーも含め徹底的にやっていかなきゃいけない。まだまだ妻の支えが必要になりますね」

　やる気に満ちつつも、東は柔らかい表情を見せそう言った。チームのため、守るべき者のため、呪縛を解いた東のこれからのピッチングにさらなる期待を寄せたい。

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