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今季“大ブレイク”DeNA関根大気は何が変わった? 本人が語る“メキシコでの知られざる苦闘”「ファンからの言葉にすごく考えさせられて…」
posted2023/05/22 11:01
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
JIJI PRESS
覚醒、大ブレイク――。
横浜DeNAベイスターズの関根大気の今シーズンを表現する上で、よく用いられている言葉。たしかにそう言われてもおかしくない活躍をしているが、これまで長い間、関根のプレーを見てきた人たちからすれば、突然このような状況になったとは思えない。むしろ数年かけ日々積み重ねてきたことが、ようやく実を結んだ“必然”のように感じられる。
僕はあまり成績のことは考えてないんですよ
「単純にそう言ってもらえると嬉しいですね」
関根は、そう口を開くと少しだけ頬をゆるめた。
よく横浜スタジアムで、メディアから「どうして好調なのか?」と訊かれている関根の姿を見ることがあるが、若干困惑している様子がわかる。
「まあでも運よく数字が出ていますし、そう言われてしまうのもわかります」
開幕から外野のレギュラーを守りつづけ、今季奮闘しているDeNAにとって欠かせない戦力となっている関根。打率.364、得点圏打率.406、OPS.891(5月22日現在)というスタッツは、一軍に常時帯同されるようになった過去2年と比較しても雲泥の差だ。
「たしかに以前とくらべればそうなんですけど……じつは僕はあまり成績のことは考えてないんですよ」
そう意外なことを口にした関根の表情は、落ち着いたままだ。
僕はミスをたくさんさせてもらってきた
「とにかく“一日一善”というか、任された打席で自分はなにをすべきなのか。ヒットが出ればもちろん嬉しいですけど、そうでなければバントなのか進塁打なのか、あるいはフォアボールで出塁するのか。とにかく今自分ができることをひとつでもできたらいいなって思いながらプレーしています。そして明日に備える。まだ開幕して2カ月弱しか経っていませんけど、現状としては楽しくプレーできていますし、満足はしています」