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”魔の8回”に泣く巨人・原辰徳監督が語った「約束の6月」へ…リリーフ陣、究極の立て直しのキーマンは復帰間近のあの大エースか?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKiichi Matsumoto
posted2023/05/29 17:00
5月28日現在、23勝24敗で4位の巨人・原辰徳監督。”約束の6月”に向けリリーフ陣の立て直しが急務だ
「そんなに甘くないというか。まだまだ実力がやっぱり……。もうちょっと考えないと。そういうところがたくさんあるかなと思ったので、今日の映像を観たりして、振り返って次に生かしていきたい」
ヤクルト戦での復帰登板後にこう語った中川だが、問題はやはり実戦での感覚だと言うのは原監督だ。
「ボール自体は悪くないし、本来のものに近づいてきている。ただ彼は去年1年間、全く試合で投げていない訳で、その辺の実戦での感覚というか、試合勘みたいなものを取り戻すのに、もうちょっと時間がかかるというところだと思う」
あと1つ、スライダーに本来のキレが戻ってくれば、中川はセットアッパーとして使えると思う。5月26日からの阪神3連戦では、いずれも7回に失点して3連敗を喫した。今度は”魔の7回”である。しかし中川が復活できれば、いまの巨人の投手陣の中で抜きん出た救援投手としての経験値が、巨人のリリーフ陣を落ち着かせることにもつながるはずだ。中川が8回に嵌れば、7回に鈴木や直江、田中千が回り、左の高梨雄平や大江竜聖の使い方ももっと広がるはずである。そしてもちろんクローザーの大勢も、さらに落ち着いた形でマウンドに上がり結果も残るはずだ。
究極のリリーフ陣立て直し策とは?
そしてもし……もし中川でも8回が落ち着かないとなれば、どうすればいいのか。経験、精神的なタフネスさ、そして何より実績と実力を兼ね備えてキーマンとなれる投手は……5月25日にシート打撃に登板して復帰への階段を本格的に登り始めた菅野しかいないと思う。まさにそれがどうしようもなくなった時の、巨人の究極のリリーフ陣の立て直し策ではないかと思っている。
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