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”魔の8回”に泣く巨人・原辰徳監督が語った「約束の6月」へ…リリーフ陣、究極の立て直しのキーマンは復帰間近のあの大エースか? 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2023/05/29 17:00

”魔の8回”に泣く巨人・原辰徳監督が語った「約束の6月」へ…リリーフ陣、究極の立て直しのキーマンは復帰間近のあの大エースか?<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

5月28日現在、23勝24敗で4位の巨人・原辰徳監督。”約束の6月”に向けリリーフ陣の立て直しが急務だ

 今年の巨人に戻れば、大勢という絶対的なクローザーはいるが、その大勢にきちんとゲームのリズムを作ってバトンを渡すセットアッパーがなかなか作れていない(実は去年からの課題なのだが……)。“魔の8回”と騒がれた直後の大勢の救援失敗にも、そんなセットアッパーとクローザーの流れが関係しているのかもしれない。だからこそセットアッパーの確立が、今年の巨人の命運を握る課題となるということだ。

中継ぎ強化を狙って鈴木康平を獲得

 そんな中でチームが補強に動いたのが5月17日だった。中継ぎ強化を狙ってオリックスとのトレードで鈴木康平投手を獲得した。

 150kmオーバーのストレートを武器にスライダー、フォークで押し切るパワーピッチが売りの右腕は、移籍直後の5月20日の中日戦で8回の1イニングを1安打2奪三振でピシャリ。その後は2試合でセットアッパーとして2ホールドをマークして、大役を果たした。真っ直ぐに力があって力で抑え込めるところが魅力だが、ただその一方で課題はやはりスライダー、フォークがどこまで制球できるか。実際問題として26日の阪神戦では1点リードの7回にマウンドに上がると、甘く入ったスライダーを森下翔太外野手に左前に叩かれ敗戦投手に。さらに今後は30日から交流戦が始まり、鈴木を良く知るパ・リーグの打者を相手にどこまで抑え切れるか。そこで真価が問われることになる。

もう1人のセットアッパー候補

 ただもう1人、巨人には有力なセットアッパー候補がいるのを忘れてはならないだろう。シーズンを通じて大役をこなせるポテンシャルと経験値のある投手、それは中川皓太投手以外にはいないはずなのだ。

 中川は一昨年の開幕直後に腰の故障で長期離脱。昨年は一度もマウンドに上がることなく、5月17日に2年ぶりに1軍登録されたばかりである。登録当日のヤクルト戦で初登板すると、打者4人に1本塁打を含む3安打を浴びて2失点。その後も28日までに5度の登板で、まだ3回3分の2を投げるに止まっている。

 この間の投球を見る限りは、全盛時に比べると「左打者の背中から曲がってくるように見える」というスライダーのキレも、あと1歩というところか。何よりマウンドで打者に対した際の仕草や動きが、まだまだ手探りのようにも見える。

【次ページ】 究極のリリーフ陣立て直し策とは?

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