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”魔の8回”に泣く巨人・原辰徳監督が語った「約束の6月」へ…リリーフ陣、究極の立て直しのキーマンは復帰間近のあの大エースか?
posted2023/05/29 17:00
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Kiichi Matsumoto
“約束の6月”がもうすぐやってくる。
開幕から2週間ほどが経った4月中旬のことだ。巨人・原辰徳監督に低迷するチーム状況と今後への展望を聞いたことがあった。チームは4月14日に最下位に転落して、そんな窮状の中での問いかけだった。
「智之(菅野智之投手)や勇人(坂本勇人内野手)といった主力選手を欠いたり、なかなか状態が上がってこないというのもある。でも、色々な面で今年のチームは、今までと違う新しいチームだと思っているし、戦いながら色んなことを試さなければならない。チームとしての形を作り上げるのに、少し時間がかかるという覚悟はしている」
そう語った原監督が、1つの“完成形”を作り上げる目処として挙げたのが6月だった。
「手探りのスタートになったけど、6月くらいまでにはチームとして1つの形を作り上げようと思っている」
あのとき原監督が語ったように、確かに6月を前に打線は1つの形が見えてきている。
チーム整備は着々と進むも、残された課題
開幕から不振に喘いだ坂本の状態もようやく上がり、WBC帰りの大城卓三捕手が本格化。中田翔内野手の離脱は痛かったが、期待された3年目の秋広優人内野手が一軍抜擢に応えて結果を残し、ついには「3番」を任されるようにもなった。また、中田の離脱で岡本が一塁に回ったことで三塁に起用されたドラフト4位ルーキーの門脇誠内野手が超絶美技を連発。中田の復帰に伴い「左翼・岡本」を指揮官に決断させる存在感も見せている。
投手陣も先発陣は戸郷翔征投手が“新エース”として結果を残せば、5年目左腕の横川凱投手が本格化。新外国人左腕のフォスター・グリフィン投手に加えて故障から復帰の山崎伊織投手に2年目の赤星優志投手、育成ドラフト1位で入団してきた松井颯投手が初登板初勝利を飾るなど形は整ってきている。
“約束の6月”を前にチーム整備は着々と進んできているように見えるのだ。そしてその中で残された課題がリリーフ陣、特に7回以降の“勝利の方程式”の確立である。