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今季9点目! 久保建英が凄まじい「バルサ撃破ドリブル、ブスケッツ退団・優勝セレモニーが同時に」カメラマンが見た“美しいカンプノウの夜”
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2023/05/24 11:00
アンス・ファティとマッチアップする久保建英。ソシエダはCLに向けて大きな1勝、敗れたバルサも試合後の優勝セレモニーで沸いた
ゲームが再開されると、バルサが一方的に攻撃を仕掛ける展開が続いた。
この日先発復帰のデンベレは脅威になり続け、長い足を振り切る素振りを見せてからの切り返しに、守備陣は振り回され続けた。ファール覚悟でイジャラメンディ、リコが倒しにかかったにも関わらず、突破された際には、苦笑を浮かべることしかできなかった。
また、前線ではレバンドフスキがゴールを狙い、深い位置でリズムを作っていたデヨングがいつの間にか最前線に姿を現し、髪型を一新したラフィーニャもサイドから突破を計る。
ソシエダDFの身体を張ったギリギリの守備が、奪ったリードをなんとか維持していた。
久保のキレはアルバがファールで止めるしかないほど
0-1のまま迎えた後半キックオフ。久保は、2人のDFと共に最初のグループでアップに臨み、58分にゴロサバルと共にピッチインした。
久保に求められた任務は、前線からの守備の強化、そしてバルサ優位の中なんとか前線でボールをキープし、チームに落ち着きを与えることだった。
チョに代わり右サイドに入った久保は、まさに前線で攻撃の起点となった。終始続いたバルサペースに、ソシエダの攻撃機会が徐々に増えていった。
66分、久保がサイドをドリブルで駆け上がる。直前、久保にボールを奪われたジョルディ・アルバは、ファールで止めるしかなかった。
そのFKのキッカーとなった久保の弧を描いたボールは、ファーサイドに詰めたセルロートの元に向かったが、急激に高度を落としたボールをセルロートは合わせ切ることができなかった。ただ前節のシルバへのアシストと酷似する久保からのボールは、ソシエダの確かな決定機だった。
バルサ守備陣を翻弄したカウンターでの追加点
また5バック気味にポジションを変更したソシエダの中で、久保は、サイドに張るだけではなく、ピッチ中央までを積極的に守備に奔走した。
すると72分、デヨングの元まで久保がプレスをかけると、バランスを崩した相手に詰め寄ったスビメンディがボールを奪取。そのボールを、動き出してブスケッツをかわしながら受け取った久保は、右手にセルロート、左手にスビメンディを引き連れて前進する。
その中で瞬時に身体の向き、視線の向きを左右に振りフェイントを仕掛ける久保に、クリステンセンは自身がマークするセルロートの姿を見失っている。
久保からのパスを受けたスビメンディが、ゴール正面でフリーになったセルロートにパスを届け、貴重な追加点を奪った。