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白川未奈がぶち上げた“スターダム三冠王者”の野望…「最後に死ぬのは決まっているから」中野たむとの“赤白統一戦”を前に語ったホンネ
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2023/05/19 17:02
5月27日、大田区総合体育館で中野たむとのダブル・タイトルマッチに臨む白川未奈。白いベルトの王者が“スターダム三冠”の野望を語った
折れた歯の痛みが「上谷沙弥との切れない縁」に
白川は白い歯を見せて笑った。2022年11月の試合で上谷のフェニックス・スプラッシュを受けて折れた歯は、見た目にはきれいに並んでいる。
「口の中の違和感はまだあります。食事をしている時に感じますね。奥歯でしか噛めないから。でもこの痛みで上谷を思い出すから、上谷とは切っても切れない縁だなあって」
そんな白川に、白いベルトはさらなる向上心を与えてくれた。
「おめでとうってたくさんの人に言ってもらえた。大好きなライガーさんにも祝福していただきました。地方の試合で、タイトルマッチじゃなくてもチャンピオンとして見られるから、当たり前なんですけど、下手な試合はできない。より一層プロレスのことを考えるようになりました。このベルトを取るまでは遠く長い道のりだったけれど、やっぱり輝けるのは一握りだから。まだ、上があるとなると、もっと厳しく、もっとプロレスを考えないといけない」
白川が率いるClub Venus(クラブ・ヴィーナス)というユニットはいわば多国籍軍だ。イギリスのマライア・メイ、アメリカのジェシー、オーストラリアのジーナ、そして月山和香がいる。
「クラブ・ヴィーナスは大変です(笑)。全員、国も違うし、文化も違う。みんな自己主張するから、毎日が言い合いのミーティングです。日本語だったら柔らかくも言えるでしょう。でも、英語だとどうしてもぶっきらぼうになっちゃう。だからこそ、みんなで盛り上げようという気持ち、団結力が大切ですね。このリーダーになっていなかったら、私はチャンピオンになれなかったかもしれない」
白川は改めて決意を口にした。
「中野たむと一緒にいたいという思いはすべて断ち切りました。ぶっ倒すことしか考えていない。たむより先に行く。迷いはない。以前、白いベルトに挑戦した時(2021年11月)は、たむを張れなかった。でも、今は違う。弱肉強食。自分がたむを倒してのし上がります」
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