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「アイドルを観る感覚じゃ困ります」WWEから復帰の人気女子レスラーSareeeは“日本の女子プロレス界”を変えるか?「もっと闘いを見せていけたら」
posted2023/05/04 17:02
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph by
Gantz Horie
2021年春に渡米し、約2年間、世界最大のプロレス団体WWEのNXTで活躍してきた“太陽の戦士”サレイことSareee(サリー)が日本マット界に復帰。5月16日、東京・新宿FACEでの自主興行『Sareee-ISM』で日本復帰第1戦を行うこととなった。
Sareeeは2011年4月、15歳でデビュー。早くから非凡な才能を発揮し、センダイガールズプロレスリング(仙女)やワールド女子プロレス・ディアナのチャンピオンベルトを巻くなど、日本の女子プロレスシーンのトップとして活躍。常に「日本の女子プロレスを盛り上げ、その頂点に立つ」ことを目標として闘い続けてきたが、2019年6月に行われたWWE日本公演時、NXT責任者でWWE最高執行役員だったトリプルHから直々のスカウトを受け、2020年2月にWWE入団を発表した。
その直後、新型コロナウイルス感染拡大に伴う入国規制などの理由から渡米が1年延期されたが、2021年4月ついにNXTデビューを飾ると順調に活躍。2022年6月からはNXT・UKに戦場を移していたが、今年3月、契約満了をもってWWEを退団し、再び日本を中心に活動することが発表された。
SareeeがWWE退団を選んだ理由
WWEからは契約延長のオファーがあったが、それを断り日本に戻ってくることを決めたSareee。世界中のプロレスラーが目指す“メジャーリーグ”であるWWEでの活動に自ら終止符を打つことに決めたのは、最近のことだったという。
「今年に入って次の契約の話をいただいた時、自分の中でいろいろと考えたんですよ。WWEではすごく多くのことを学ばせていただいたし、充実もしていたんですけど、いま自分自身が旬な時期だと思いますし、年齢的にも一番動けるときに自分がやりたいプロレスをやるのが一番後悔しない選択なんじゃないかと思って決断しました」
2年前、サレイとしてのWWEデビューは華々しいものだった。3月のNXTライブ配信で、ウィリアム・リーガルGMが「新しくロースター契約した日本人スーパースター、サレイだ」と紹介するプロモーション映像を公開し、「A new warrior will rise.」と、サレイのNXT登場を大々的に予告。そしてアメリカ時間の4月20日にデビューをはたすと、夏までに無傷のシングル4連勝を飾った。しかしその後、WWE内の体制の変化がサレイの活躍にも影響を及ぼしていく。
「私がアメリカにわたってちょっと経った頃、現場のトップが代わったり役員の方が辞めていったり、いろんなことがあったようなんです。私は『日本のスタイルのままで来てくれ』と言われてスカウトでWWEに入ったんですけど、トップが代わったことでなかなかそういうわけにもいかなくなり、“別のキャラクター”をいただくことにもなりましたね」