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白川未奈がぶち上げた“スターダム三冠王者”の野望…「最後に死ぬのは決まっているから」中野たむとの“赤白統一戦”を前に語ったホンネ
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2023/05/19 17:02
5月27日、大田区総合体育館で中野たむとのダブル・タイトルマッチに臨む白川未奈。白いベルトの王者が“スターダム三冠”の野望を語った
白いベルトをもたらした“新技”の開発秘話
白川は負傷欠場中から、新しい技を思案していたという。
「でも、なかなか思い浮かばなかった。リバースのブレーンバスターからの流れを考えたし、ブレーンバスターの上げ方も考えた。そして、フィギュア・フォー、4の字のドライバーは横浜アリーナの前日に思いついたんです。マジギリギリ。いつものグラマラス・ドライバーだったら、返されちゃったし、上谷に勝てなかったかもしれない」
白川はその新技で白いベルトを手にした4月23日を思い起こした。
「横浜アリーナのお客様は、お祭りを楽しみに来ていたように見えました。大きな会場のはずなのに、私は大きいとは感じなかった。それはあの試合に自信があったからかもしれない。横浜アリーナでタイトルマッチってすごいことなんでしょうけれど、『これは通過点だ』という暗示を自分にかけた。だから、緊張しなかった。会場が大きいと『やるしかねえ』って気持ちになるでしょう。逆に福岡の時は、チャンピオンでメインイベントなので緊張しました。重圧に押しつぶされそうにもなった。人生で初めてのメインだったから……。私は後楽園とか、小さい会場の方がもっと緊張するのかも」
さらに白川は突拍子もないことを言い出した。
「ベルトの価値ということを考えると、防衛戦ってあまり連発しない方がいいのかもしれませんが、最近、“史上初”にこだわっていて、ビッグマッチの大会場に限らず20大会連続で防衛戦とかやりたいなぁ、とか思っちゃう。このベルト、欲しい人いっぱいいるから。福岡は横浜から11日という短いスパンで、神経を削られて緊張しました。でも試合が終わった後の快感は格別のものだった。だから、もっともっと自分を立て続けに追い込んでみたい、という気持ちになりましたね」