私たちの予測通り、吉田はいつでも本塁打が打てるだけのパワーがありながら、状況に応じてコンタクトを重視する頭の良さを示してくれています。2ストライクを取られた際にはアプローチを変え、それを遂行できるだけの能力もみせてくれています。

懸念された守備でも堅実なプレーで評価を改めている　©️Getty Images

　打撃だけではなく、当初は疑問視されたレフトの守備も堅実にこなしてくれていますね。チームのスタッフと一緒に、一生懸命に練習に取り組んでいます。幾つか処理に手間取った打球がありましたが、それはレフトに“グリーンモンスター”があるフェンウェイパーク独特の形状が影響したと考えています。吉田はじっくりとベースボールを観察し、聡明な分析ができる選手。そんな彼が経験を積み、フェンウェイパークの性質を知れば、外野の守備もさらに上達するでしょう。

WBC前からチームに馴染んでいた？

　言語の違いによるバリヤーがあったにもかかわらず、春季キャンプの途中、ワールド・ベースボール・クラシックへの出場のためにチームを離れる時点で私は吉田がすでにチームの一員であると感じることができていました。吉田は多くの選手と言葉を交わし、ジョークを飛ばすようになっていたのです。

デュラン（中央）、タピアと勝利を喜ぶ吉田正尚　©️Getty Images

　吉田は周囲とのコミュニケーションを大事にするタイプですね。母国のリーグでスターだった選手が、外国に来て人間関係を新たに作り直すことの難しさは正直、私には想像もできませんが、彼はそれは自然な形でできる人間なのだと感じられるのです。

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