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「ショウヘイの性格はパーフェクト」ヌートバーの“WBC後も変わらない”大谷翔平への尊敬…目を輝かせて語った「大谷の一番凄いところ」の話
posted2023/05/08 17:02
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
JIJI PRESS
日本中のファンが待ち望んだ大谷翔平とラーズ・ヌートバーの初対決は、3打席連続三振で大谷が圧倒した。しかも、すべてが空振り三振であり、決め球はスイーパー、スプリット、直球と思うがままに仕留めた。対戦後、ふたりのコメントは対照的だった。
「よく狙ったとこには行ってたのかなと思うので。ヌートバーの打席に関しては思い通りに投球できたかなと思います」
「明らかに彼の勝ちだ。世界最高の選手にはそれなりの理由がある。今年以降、また対戦があるかわからないが、もっと対戦できることを楽しみにしている。一度だけでなくもっと対戦したい。第1ラウンドは彼が勝ったということ。今日の彼はとても良かった」
淡々と答えた大谷に対し、ヌートバーの言葉には悔しさがにじみ出た。
敵チームのファンが、大谷翔平に大きな拍手と歓声
野球の街、セントルイスに大谷がやってきたのは2019年6月以来4年ぶりとなった。前回は3打数1安打。当時はナ・リーグにDH制がなく3連戦すべてが代打出場であり、18年10月に受けたトミー・ジョン手術からの復帰過程で登板もなかった。
野球を愛する人たちにとって、大谷翔平はたとえ敵であっても憧れ。敬愛する偉大なプレーヤーとなる。選手紹介では敵地でありながらも大きな拍手と歓声が沸き起こり、セントルイスのファンが大谷を待ち望んでいたことがわかった。それは地元放送局のリポーターのエンゼルス・フィル・ネビン監督への質問からも感じとれた。
「大谷がセントルイスでプレーする。野球における彼の存在意義をどう捉えているか」
指揮官はWBC決勝で大谷とトラウトの対戦が実現したことに触れながら熱弁を振るった。
「野球にスイッチが入ることで野球は素晴らしくなるんだ。WBCの最後はどんな気持ちだったかをよく聞かれるが、率直に言って、このようなドラマや雰囲気を作り出せるスポーツは他にないと個人的には思っている。大谷はこのゲームで特別な存在だ。ファンの皆さんが定期的に見られるようになることは楽しく素晴らしいことだ。野球界にとって素晴らしいことだ」