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「タケ、今日はお前の日になる」と監督に送り出された通り…久保建英21歳の7点目→“MVP後ひっそり行動”をカメラマンは見た
posted2023/05/01 11:02
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
4月28日、リーガ32節CAオサスナ対レアル・ソシエダ戦が行われた。久保建英所属のソシエダだが、ここ6試合、ホームで3連勝の傍ら、アウェイの3試合では得点を奪うことができず、1分2敗となっている。前節アウェイでのベティス戦に続いての敵地、パンプローナでの試合を撮影した。
ソシエダを迎え入れるオサスナは、リーガ8位と順調なシーズンを過ごしている。そして国王杯では決勝まで進出、レアル・マドリーとの対戦が来週末に待っている。
この試合のキックオフに先立ち、チームを鼓舞する催しが行われ、熱気に満ちたスタジアムの雰囲気は、ソシエダにとって、順位の差ほど簡単なものではなかったはずだ。
ソシエダは幸先よく先制も、徐々に苦しくなっていた
前節フル出場の久保は、中2日でこの試合を迎えたこともあって、サブでのスタートとなった。また久保に加え、オヤルサバル、ブライス・メンデスもベンチに残したその布陣は――飛車角落ちのようにも感じたが――試合開始直後から見せた前線からのプレスが効果的にはまると、ソシエダが主導権を握り、開始6分に先制に成功した。ゴールこそ相手GKのオウンゴールとなったが、アリチョ、バレネチェア、カルロス・フェルナンデスが絡む形でのゴールであり、この日の先発起用に見事に応えた。
しかし、次第にソシエダの出足が鈍くなると、スタジアムに詰めかけたホームサポーターの後押しもあり、オサスナが徐々にペースを掴んでくる。その最前線で身体を張り攻撃の起点になったのは、キケ・ガルシア。エイバル時代の乾貴士の同僚だった。
前半終了間際には、ソシエダゴール前での攻防の中でハンドの疑いによりVARが行われたが、オサスナにPKは与えられず、0-1で前半を終了した。その際には、両ベンチでVARとは別に映像を確認するような姿も見られた。
ソシエダは、アリチョに代わってオヤルサバルを後半キックオフから投入する。最初のアップメンバーとしてピッチ脇でアップを開始した久保らには――罵声が投げかけられ――大きなプレッシャーをかけ続けられた。オサスナのホームスタジアム、エル・サダールは、ピッチと観客席が非常に近く、独特の緊張感を漂わせるのだ。
久保、セルロートが投入された63分、ソシエダはリードを保つものの、オサスナの仕掛ける空中戦の防戦が続いていた。
その中で久保はまず、セルロートが落としたボールを頭でコントロールすると、そこから一瞬のスピードで相対するマヌ・サンチェスを置き去りにした。