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「クボはノルマル(普通)よ」辛口おばあちゃんにバルで遭遇も…カメラマンが撮った久保建英21歳の“軽快ドリブル+母・祖母のような愛”
posted2023/04/25 17:21
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
4月22日、久保建英擁するレアル・ソシエダが敵地でのバスクダービーを落として迎えるリーガ30節、対ラージョ戦の撮影に向かった。
前節の久保は、61分と早いタイミングでの交代策もあり、不完全燃焼でピッチを後にしている。この試合にかける思いは強かったはずだ。
ただ、現地18時半のキックオフに先立ち両チームイレブンが入場してくるその横で、久保は、ユニホーム、脛当てなどを手にしたままベンチへ向かった。5試合ぶりのベンチからのスタートとなった。
0-0で進む中で“KUBO!”という悲鳴にも似た叫び
セルロートを中心に右にオヤルサバル、左にバレネチェアを配置したソシエダの前線が、ラージョに襲い掛かった。幸先よく12分、オヤルサバルが相手ゴールを揺らしたが、VARによって取り消されてしまう。
それでもソシエダが相手を押し込む時間が多くなる中、得点を奪えないまま時が過ぎていく。時折受ける相手のカウンター攻撃にスタジアムがざわつく。またこのまま勝てずに終わってしまうのではないか……と。
前半終了間際には、久保が早くもアップエリアに姿を現した。アップエリア近くのファンから“KUBO”という助けを呼ぶ声にも似た声援が投げかけられた。後半頭からの投入もあるのではないかというタイミングだったが――。
まさかの“散水スプリンクラー攻撃”を受けた
両チームともに無得点で迎えたハーフタイム、久保はちょっとしたトラブルにあった。急ピッチでアップを進める中、2度にわたって散水のためのスプリンクラーからの攻撃を受けてしまう。2度目の際には、お手上げのポーズを取らざるを得なかった。
散水直撃の影響は……なかったと思われるが、ソシエダはメンバー交代をしないまま後半がスタートする。再度ピッチ脇に姿を現した久保に、改めてスタンドから久保コールが送られると、久保もそれに感謝を示すように手を合わせた。
10分も経たずに久保、そしてアリチョに声が掛かるのと前後するように、57分、守備のミスをつかれてイシに先制点を奪われてしまう。
監督のイマノルは、急遽イジャラメンディにも交代を命じて3枚替えの準備が進む。ただカードを切るより早く――悪い流れを断ち切るように――59分シルバからのパスを受けたアイエンが狙い澄ましたクロスを送ると、セルロートが頭で合わせ同点に。長らく遠ざかっていた主砲のゴールにスタジアムを歓喜の輪が包んだ。