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「クボはノルマル(普通)よ」辛口おばあちゃんにバルで遭遇も…カメラマンが撮った久保建英21歳の“軽快ドリブル+母・祖母のような愛”
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2023/04/25 17:21
久保建英は途中出場ながら得意のドリブル突破を契機にラ・レアルに貴重な決勝点をもたらした
そして62分、満を持して久保が投入された。オヤルサバルのポジションにそのまま入った久保は、中央でボールを受けると早速相手2枚をかわして逆サイドへ展開。軽快な動きで好調さを示した。
その直後、左サイドでFKのキッカーを務めると、アリチョとポジションを変えてそのまま同サイドに残った。すると、アイエン、久保、セルロート、シルバとボールが繋がる。そのシルバからDFライン裏へ走り抜ける久保の元へ絶妙のループパスが贈られる。久保はGKと1対1となり、頭上を抜くシュートを放つが、枠を捉えることはできなかった。
軽快なドリブル突破から生まれた決勝ゴール
右サイドへポジションを戻した久保は、81分、右CBスベルディアからパスを引き出すと、左足親指付近で擦り上げるように前方へボールを押し出し相対したフラン・ガルシアをかわした。スピンがかかり水飛沫を上げるボール、一瞬でかわされたフラン・ガルシアが久保に追い縋る。久保は、そのままカバーに入るチャバリアが詰め寄るのを逆手に取ってかわすと、3枚目のオスカルもいなし逆サイドへ展開、一気に攻撃を加速させた。
アリチョを経由したボールは、再びアイエンの左足からボックス内へと蹴り上げられると、途中出場カルロス・フェルナンデスが混戦の中、GKとDFに競り勝ちながら頭で合わせ、ボールはゴールの中へ転がり込んだ。得点はオウンゴールの判定となったものの、ソシエダに勝ち点3をもたらす貴重な勝ち越しゴールとなった。
起点となった久保の突破のワンシーン前でのこと。スベルディアからほぼ同じ角度でパスを受けた久保は、マイナス方向のトラップから中央へのドリブルを選択している。このプレーを撒き餌とし食いついてきた相手を瞬時の判断で陥れた。このチャレンジが実ったからこその勝ち越しゴールにつながった。