松坂大輔「怪物秘録」BACK NUMBER
松坂大輔「苦笑いを浮かべたクジの瞬間」(連載23)
posted2023/04/26 09:00
text by
石田雄太Yuta Ishida
photograph by
Kiichi Matsumoto
1998年11月20日、運命のドラフト当日がやってきた。平成の怪物を1位指名したのは、ファイターズ、ライオンズ、ベイスターズの3球団。当たりクジを引いたのは東尾修だった。
1998年、秋のドラフト会議。ベイスターズ、ファイターズ、ライオンズの3球団競合の末、横浜高校の松坂大輔の交渉権を獲得したのは、西武ライオンズだった。「在京セ」を希望球団として挙げていた松坂は「外れたなと……甘くはなかったですね」と言って、苦笑いを浮かべた。
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甘くなかった……確かにそう言いましたね。覚えています。でも、あの言葉は本音じゃなかった。ライオンズに指名された時点で「好きな球団ですから、行きます」と言ってもいいくらいの気持ちでした。