松坂大輔「怪物秘録」BACK NUMBER
松坂大輔「複雑な心境のドラフト前」(連載22)
posted2023/04/12 09:00
text by
石田雄太Yuta Ishida
photograph by
Kiichi Matsumoto
甲子園春夏連覇を成し遂げた横浜。松坂フィーバーはとどまることなく、一挙手一投足が報じられるようになる。そんな喧騒の中、地元・神奈川県開催の国体終了後に運命のドラフト会議を迎える。
PL学園との延長17回に渡る激闘が準々決勝、準決勝では奇跡の大逆転劇、決勝戦ではノーヒットノーラン――あまりにドラマチックな3日間を経て春夏連覇を達成した怪物投手は、あっという間に日本中の注目の的となった。松坂大輔の日常は夏の甲子園を終えて、一変してしまう。
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センバツで優勝したときも周りはザワザワしていました。でも、夏が終わってからの騒がれ方は春とは比べものにならなかったですね。言葉は乱暴ですが、当時は正直、『めんどくせえな』と思っていました。夏の甲子園が終われば普通の高校生みたいに遊びたいというのが本音で、学校が終わったら横浜駅へ出て、ファストフード店でハンバーガーとか食べて、カラオケに行ってL'Arc~en~CielとかGLAY、ミスチルを歌って……でも、そういうことがいちいち報道されるんです。