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WBCはアメリカにとって「成功」だったのか? 大谷vs.トラウトを650万人が視聴、地元への経済効果も1週間で“50億円”…トラウトは「最も楽しい10日間だった」 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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posted2023/04/25 11:00

WBCはアメリカにとって「成功」だったのか? 大谷vs.トラウトを650万人が視聴、地元への経済効果も1週間で“50億円”…トラウトは「最も楽しい10日間だった」<Number Web> photograph by Getty Images

アメリカで行われたWBC決勝戦。日米決戦は日本が勝利し、日本では盛り上がったが、アメリカでは…

 メッツのクローザーで、プエルトリコ代表のエドウィン・ディアスは、試合後の歓喜の輪の中で負傷し、シーズンを棒に振る大ケガを負った。選手の大会後への影響を懸念する声は依然としてある。

 一方で、今大会にかける米国代表の熱は、過去にないほど高まっていた。昨年7月の段階でマイク・トラウト(エンゼルス)が主将を務めることが発表され、その後、ムーキー・ベッツ(ドジャース)、ポール・ゴールドシュミット、ノーラン・アレナド(いずれもカージナルス)らスーパースターが続々と参加意思を表明し、史上最強の「ドリームチーム」で連覇へ挑んだ。

今後の人生で忘れることはないだろう

 実際、春先の調整段階とはいえ、選手達の本気度はポストシーズン並みだった。

 2006年にワールドシリーズを制した実績のあるベテラン右腕アダム・ウェインライト(カージナルス)は、準決勝でキューバに快勝した後、真剣な表情で心境を明かした。

「夢のようだった。おそらく、今後の人生で忘れることはないだろう」

 決勝戦の最後に大谷から空振り三振を喫したトラウトも、「すべての野球ファンが見ることを望んでいた対戦だっただろう」と、悔しさを隠すことなく言った。その一方で、「USA」を胸に付けて戦った大会を振り返った。

「今回はおそらくこれまでに経験したことのない、最も楽しい10日間だった」

トラウト「望まれるところで、オレは出るよ」

 では、今後はどうなっていくのか。

 コミッショナーのロブ・マンフレッド氏は、大会の盛り上がりについて「信じられない」と振り返ったうえで、3年後の26年に次回大会を開催することを発表した。さらに「我々はこれからも野球界を成長させ、国際化させていく」と、今後の展望について語った。

 今回、150人以上のメジャーリーガーが参加し、文字通り、手に汗を握るような緊迫した試合が繰り広げられた意味は大きい。

 所属するエンゼルスで、14年以来8年間、ポストシーズンから遠ざかっているトラウトは、次回大会への参加意思を問われると、明確に言った。

「たとえ左翼であれ、DHであれ、望まれるところで、オレは出るよ」

 世界一奪回を目指す米国が本気になればなるほど、WBCは野球少年達が「目指すべき大会」に成長していくに違いない。

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