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「WBCは意味のないお遊び」批判も…アメリカで“不要論”はなぜ消えた? 大富豪オーナー・大物選手らのWBC論「プエルトリコで殺人が減った」
posted2023/04/13 11:00
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph by
Getty Images
WBCで悲劇的な大ケガをしたエドウィン・ディアスの騒動を思い返してみる。
現メジャー界「最高の守護神」と呼ばれ、3月のWBCでプエルトリコ代表として戦ったメッツの抑え右腕。フロリダ州マイアミで行われた1次ラウンドの最終戦、準々決勝進出をかけたドミニカ共和国との大一番で、3点リードの9回のマウンドに上がり、3者連続三振と圧巻の投球でチームの突破に貢献した。ところがその直後、仲間と飛び跳ねながら勝利を祝っていた際に右膝蓋腱を断裂し、今季中の復帰が絶望的に。この大ケガで沸き起こったのがWBC不要論である。「所属チームに支障をきたす大会なんて……」と。
「WBCは意味のないお遊び」
米国の野球ファンは困惑し、特にメッツファンは怒りや悲嘆で荒れ狂った。プレー中のケガならまだしも試合後に……。避けられたケガだと思う一方、アドレナリンが出た状態では致し方なかったともいえる。
ESPNのコメンテーターとして有名なキース・オルバーマン氏はツイッターで「WBCは意味のないお遊び。ファンに違うユニホームを買わせるため、本物のシーズンをないがしろにして選手に負担をかけ、お祖母ちゃんが昔そこで子孫を作ったというだけでチームメートがバラバラになる。今すぐやめろ」とほえた。
選手たちは擁護「WBCのせいにしたくない」
そんな批判に真正面から立ち向かったのは、大会に出場した選手たちだった。米国代表のマイク・トラウト外野手(エンゼルス)はディアスがケガをした日に「この大会は、僕がグラウンド上で経験した中でも至高。リスクはもちろんあるが、この雰囲気の中で戦うのは特別なことだ」と擁護し、同じく米国代表のムーキー・ベッツ外野手(ドジャース)も「ケガはいつでも、誰にでも起こり得る。WBCのせいにはしたくない」と発言した。