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アメリカの“野球離れ”に異変…WBC効果でメジャー視聴者数10%増、4月なのに球場の熱気が…米記者「日本対メキシコの準決勝で考えが変わった」 

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水次祥子

水次祥子Shoko Mizutsugi

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posted2023/04/22 11:00

アメリカの“野球離れ”に異変…WBC効果でメジャー視聴者数10%増、4月なのに球場の熱気が…米記者「日本対メキシコの準決勝で考えが変わった」<Number Web> photograph by Getty Images

4月11日のカブスvsマリナーズ戦。ベラスケスの満塁弾で球場の熱気は最高潮に…背景にWBC効果があった?

「ファンの歓声が本当に大きく聞こえ、興奮を感じた。まるでWBCのようだった」

 侍ジャパンで活躍したカージナルスのラーズ・ヌートバー外野手が今季1号本塁打を放ったときの盛り上がりも、熱気に満ちていた。カージナルスの本拠地ブッシュスタジアムでの4月16日のパイレーツ戦だった。2点を追う6回2死二塁で初球を力強くたたき、右翼側ブルペンに運ぶ同点2ランとなった。客席ではスタンディングオベーションが起こり、地元テレビの実況が「ペッパー・タイム!」と絶叫。SNSでは「インターナショナル・スーパースターがやった」と話題になった。「たっちゃん」と親しまれたヌートバーの日本での人気ぶりは米国でも注目されている。WBCで活躍した選手が、MLBの盛り上げに一役買った好例だ。

「WBCの発展は約束されている」

 男性総合誌GQの米国電子版は「野球は最高にエキサイティングになり得ると、WBCが証明してくれた」という記事で「WBCの熱気や高まりをシーズン162試合続けるのは不可能だろうが、盛り上がろうという気持ちは持ち続けたい。それは決して、無駄にはならない」と提言している。米国では何年も前から野球離れが指摘されており、そんな中でのWBCの大成功は希望の光だ。前出のジロリー記者はこうも語った。

「WBCは今後、予選大会に参加するチームも増えていくでしょう。この流れのまま次の大会に進めば、さらに人気は高まると思います。トップレベルの投手がもっと参加する可能性もあります。今後の大会の発展は、もう約束されていると言っていいでしょう」

 次回WBC開催は2026年。期待はすでに高まっている。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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