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畑岡奈紗の優勝争い、物怖じしない原英莉花…日本人と好相性の“ハワイ決戦”を現地レポーターはどう見た?〈米女子ゴルフ今週メジャー初戦〉
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byGetty Images
posted2023/04/18 11:00
メジャー前哨戦となったロッテ選手権で優勝争いに加わった畑岡奈紗。惜しくも今季初優勝を逃したが、好調を維持して「シェブロン選手権」に臨む
1つ前の大会ではトップ10入りするなど好調さが窺える畑岡だが、片平は技術だけではなく強いメンタリティにもその要因があるとの見解を示す。
「結果を出していることで、ますますバーディを取れる自信も高まってきていると思うので、ボギーを叩いても気持ちをきらすことなく、冷静にプレーできていると思います」
畑岡らしさが垣間見えたのは、3日目の最終18番パー5。前半2アンダーと良い流れだったが、後半はバーディーパットが決まらずに耐えるゴルフが続いた。その中で迎えた第2打だった。
残り約200ヤード、ライはややつま先下り。かなり強い風が吹き、グリーンが硬く、その手前には池とバンカーが待ち構えている。ハザードのプレッシャーがかかる中、5番アイアンで放ったボールは数少ない狙いどころだった左手前の細い花道へ。そこから3打目でピンに寄せて、バーディーフィニッシュを決めた。
「マネージメント力、冷静な判断力が光った素晴らしいショットでした」(片平)
だからこそ片平は、最終日にスコアを落としたことにもどかしさを感じていた。
「ショットは良かったのですが、(ホアカレイCCは)パスパラムという芽がすごく強い芝で、パットのラインを読むのに苦戦し、決めたいところで決めきれなかった。最終日1番でバーディーパットが決められず、2番でもパーパットを外したことで、流れが作れなかった感じでしたね」
試合後、畑岡のインタビューは「悔しい」の一言から始まった。前哨戦での反省を生かし、悲願のメジャー制覇に向けて気持ちを切り替えたいところだ。
21年8月以来の海外試合となった原英莉花
畑岡に次ぐスコアを残したのは、今大会を推薦枠でスポット参戦した原英莉花だった。
原にとって初めてのハワイでの公式戦、さらに2021年8月の全英女子オープン以来の海外試合だったが、最終日に3アンダーの69をマークするなど堂々としたゴルフを披露。片平は同コースで予選通過できたことは「実力がある証拠」だと話す。
「(ホアカレイCCは)メジャー並みに難しかったコースでした。ホールの向きがバラバラなので、ホールによって強い海風の方向が変わる。右に池があって、左にフェアウェイバンカーがあるなどハザードも多い。常にクラブ選択に頭を使い、正確なショットが要求される環境でした」
難しいコンディションの中で一定の結果を残せたことは、今後の自信につながるかもしれない。また、現地で選手の様子を近くで見守る片平は、原のパーソナリティにも言及する。