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「お父さんが倒れた」石井琢朗妻はパリから札幌へと向かった…テニスで海外転戦の次女・さやかも感謝する“母の献身” 「あんなタフな母ちゃんはいない」
text by
赤坂英一Eiichi Akasaka
photograph byYuki Suenaga
posted2023/04/17 11:01
インタビューに応じた石井琢朗と次女でプロテニスプレーヤーのさやか。さやかが海外遠征、父・琢朗は各地に遠征と離れ離れの家族にあって母のサポートが大きかったという
さやかの海外遠征は、とにかく移動が頻繁だ。ここで琢朗が強調するのが、自分の妻であり、娘の母・詩織によるこまめな飛行機のチケットの手配である。
琢朗「プロ野球のシーズン中だと、僕は家を空ける日が多いでしょう。プロ野球のチームならマネージャーに任される仕事を、すべて家内がひとりでこなしてるんです。見ているだけでも大変だと思いますよ」
海外遠征の最中は、バランスの取れた食事を摂るのもままならないこともある。
さやか「何でも美味しく食べられるほうなんですけど、ヨーロッパでは極端に偏ることがあって、それこそ毎食ピザみたいな。おかげで口内炎が2、3個できて、ピザは一生食べたくない!と思ったくらい(笑)」
お母さんはスーパータフ
さやかの栄養管理もまた、母・詩織の重要な仕事のひとつである。
琢朗「僕の現役時代、家内は栄養士さんについて勉強して、僕の栄養管理をしてくれた。当時の資料やレシピがあるので、それをある程度、娘のために応用しているんです」
加えて、さやかに栄養指導も施している。
琢朗「順天堂大学浦安病院に女性アスリート外来というところがあるんですが、そこへ月に1度、さやかを通わせています。コンディション維持のための食生活について、専門的な指導を受けるために。女性は男性と違って、いろいろデリケートな部分もあるので、気を遣わなきゃいけないことも多いから」
さやか「試合や遠征が続くと、その栄養指導を受けられない時期もあります。そうするとやっぱり、体重が増えたり、いろいろと体質が変わってきたりするんですよ。だから、常に気をつけていないといけません」
国内の大会に出場するときは、母がさやかのマネージャー兼運転手となる。移動距離がときに2000km以上に及んだこともあった。
さやか「私を試合会場に送るため、東京から能登、能登から大阪、それに大阪から東京と、お母さんが全部車を運転して移動したことがあります。それも、私が大阪で試合に出てる間に、お母さんだけいったん東京に戻って、もう1度私を迎えに大阪に来てるんですよ」