- #1
- #2
Number ExBACK NUMBER
「ヤクルト移籍は“さやか”のためだった」石井琢朗が明かす、テニスのプロとなった次女の存在「久保竜彦さんの娘さんにボコボコにされて…」
posted2023/04/17 11:00
text by
赤坂英一Eiichi Akasaka
photograph by
Yuki Suenaga
パパが見たらさやかが負けるから見ないで
さやか「20歳か21歳でITF(国際テニス連盟)からWTA(女子テニス協会)に昇格して、世界トップハンドレッドに入りたいなと思います。22歳から24歳のころには、グランドスラムに出場したい。目標は優勝です」
そう意気込みを語るさやかの試合を、父・琢朗は、あまり見る機会がないという。
琢朗「ジュニアの試合はよく見に行きましたが、いつもイライラ、ハラハラして、気が気じゃない。プロになって、成長ぶりがわかるようになったら、また見に行こうかな。家内(詩織夫人)には、『パパが見たらさやかが負けるから見ないで』と言われていますけどね(苦笑)」
照れ臭そうにそう語る琢朗は選手時代、俊足巧打堅守の内野手として活躍し、1998年に横浜の優勝と日本一に貢献した。歴代11位の通算2432安打という記録を打ち立て、プロ野球のレジェンドのひとりと呼ばれている。
全豪ジュニアベスト4の期待の星
琢朗「これからはさやかがレジェンドと呼ばれる番だよ。それぐらいの意気込みで臨んで、また実際にそこまでいかなきゃいけない」
さやか「ジュニアまではお父さんの娘が石井さやかだと言われましたけど、プロになってからは逆に、さやかの父親がプロ野球選手だったと言われるように、頑張ります」
静かな口調で、しかしはっきりとそう語るさやかには、着実にスキルアップしているという自覚と自信がある。
さやか「自分の最大の武器は、とにかく打ち込むことです。その武器を、もっと相手に嫌がられるようにしなきゃいけない。そのために、ただ真っ直ぐ打ち込むだけじゃなくて、これまでと違う戦術、違うパターンで最大限に武器を活かしていく。その練習の成果は、1月の全豪でも出せたんじゃないかな」
さやかは、その全豪オープン女子ジュニア部門でシングルス、ダブルスともにベスト4に進出。シングルス準決勝では逆転負けしたが、確かな手応えも感じたという。
琢朗「わかってるじゃない」
さやか「負けたとは言っても、まったく歯が立たなかったわけじゃない。ほんの少しの差で負けちゃったから。プロでもいける、チャンスなら全然ある、と思ってます」