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「セレブレーション中なのにファンが出口に…」オカダ・カズチカを撃破しIWGP戴冠も…新王者SANADAの「新しい景色」はどこにある? 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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posted2023/04/13 17:01

「セレブレーション中なのにファンが出口に…」オカダ・カズチカを撃破しIWGP戴冠も…新王者SANADAの「新しい景色」はどこにある?<Number Web> photograph by Essei Hara

4月8日の両国国技館でオカダ・カズチカを破り、第7代IWGP世界ヘビー級王者となったSANADA。「景色を変える」ための旅路はまだ道半ばだ

セレブレーションの最中に帰路につくファンも…

 現時点ではSANADAが新王者になったことよりも、「オカダが負けた」という方がインパクトは大きい。リング上で行われたSANADAのセレブレーションの最中に、出口に向かうファンが多くいたのは事実だ。

 両国国技館での2人の試合は、「年間最高試合賞」に選ばれた2019年10月の一戦のようにスウィングしなかった。試合後、筆者は近くの居酒屋で数人とビールを飲んだが、メインの試合の評価はいつになく低かった。IWGP世界ヘビー級王座がオカダからSANADAに移ったという事実だけが評価の対象だった。

 止まっていた時計の針が、何かを思い出したかのように動き始めただけだ。

「ライバルだ、ライバルだ、って言っても、この何年かは特に絡むことはなかったですし、ボクが何を言ったところでお客さんたちからしたら、とてもライバルのような関係ではなかったと思います」

 オカダは試合前にそう言っていたが、負けてしまった。一方のSANADAは前日会見で「新しい景色はどれくらい見えている?」と質問され、こう答えている。

「今はまだ50%いってないかな。明日の結果次第では、100%に近づけるのかなと思っています」

 しかしベルトを巻いても、100%にはまだずいぶんと遠いように思えた。では、SANADAがいう「100%の新しい景色」はどこにあるのか。

「まず自分がチャンピオンになったことで景色が変わると思う。こうやってヒロムさんがチャレンジャーで来るっていうこと自体がもう新しい景色で、こういうことが増えて、今までにないものが今後実現していくんじゃないかと。それが新しい景色につながると思います」

 期待はある。SANADAはそれに試合で応える必要がある。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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