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新日本プロレスを退団、飯伏幸太(40歳)はどこへ行くのか…日本、アメリカ、あるいは総合格闘技も? 今後の可能性を考える
posted2023/02/26 06:00
text by
門馬忠雄Tadao Monma
photograph by
Getty Images
新日本プロレスは2月1日、人気選手の1人“ゴールデンスター”飯伏幸太が1月31日付で契約期間満了により退団したと発表した。
飯伏は鹿児島県出身、2004年インディ系団体DDTのマットでデビューした。トリッキーな動きを駆使する技巧派ケニー・オメガとの激闘で脚光を浴びた選手だ。スピードを武器に、キック戦法からフェニックススプラッシュなど飛び道具を使うテクニシャンである。
予測不可能、いつもハラハラ・ドキドキ。変化に富む試合運びで、筆者が最も気になる選手だった。'13年にはDDTと新日本との2団体ダブル契約を結び、業界の話題を呼んだ。'16年に両団体を退団後、飯伏プロレス研究所なる名称を使って自由奔放な活動をしたことがあった。
その後は'19年に新日本再入団、G1クライマックス連覇、IWGP世界ヘビー級王座獲得など、オカダ・カズチカを脅かす存在になっていた。
“1年3カ月の空白”の影響は?
しかし、'21年10月、オカダとのG1優勝決定戦で大怪我。右肩関節前方脱臼骨折および関節唇損傷と診断され、長期欠場していた。
欠場期間中の昨年3月、他団体の試合に無断でセコンドに付いたことを新日本の担当者が問題視。LINEを通じてのメッセージに反発し、自身のツイッターで告発した。これを受け、新日本から選手契約違反で3カ月間減俸10%の処分を受けていた経緯がある。
SNS上での新日本とのトラブルはどうあれ、飯伏は2月1日、自身のツイッターで「フリーという立場を選ばせていただきました。(中略)これからは自分の行く道を見守っていただけたら」と発信。そして「長いようで凝縮された期間をありがとう」と、新日本のリングに感謝のメッセージを残している。
181cm、90kgそこそこの体。若い、若いと思っていたら、5月21日で41歳になる。レスラーとしての曲がり角だ。1年3カ月欠場の空白が、今後の活動にどう影響してくるのか、気がかりだ。
3月末には米国のプロレス団体GCWに参戦予定だという。人気選手だけに国内の団体も見過ごすわけがない。総合格闘技団体RIZINからもラブコールが届く。海外に重点を置くのか、国内のリングはどこなのか、その動向が非常に注目される。