箱根駅伝を目指す東大院生の“高学歴ランナー”…古川大晃が語る、“異色のキャリア”はなぜ生まれた？「箱根出場校からも勧誘を受けましたが…」

　今年の箱根駅伝、1区で大胆な飛び出しを見せたのは、関東学生連合チームの一員として出場した育英大4年の新田颯だった。終盤に失速したものの、区間3位相当と健闘。予選会で敗れた大学のメンバーで構成される関東学生連合チームが、これほど注目を集めたのは久々だったのではないだろうか。

　この関東学生連合チームで箱根駅伝を走ることを目標に掲げ、熊本大、九州大大学院を経て上京したのが、現在、東京大大学院の博士課程に通う古川大晃（院3年）だ。

　“お正月に長い布持って走りたい。”

　古川のツイッターのプロフィール欄にはこんな言葉が書かれている。

　しかし、1年時に続いて2年連続で関東学生連合チームに選出されたものの、今年も出場することが叶わなかった。さらには、来年1月の第100回大会では関東学生連合チームが編成されないことが発表されている。

　憧れの舞台を走ることができるのか、今春、大学院3年になった古川は窮地に立たされている――。

芽生えた「箱根を走りたい」という思い

　中学時代は、陸上部がなくバスケットボール部に所属。それでも走ることが得意で、持久走では小、中と学年で一番だったこともあって、古川は高校から本格的に陸上を始めた。

　高校入学当初、5000mの記録は16分40秒だったが、高校3年間でぐんぐん力を付けて、15分5秒まで伸ばした。3000m障害ではインターハイ熊本県予選で3位となり、南九州大会にも出場している。

　力が付いてくると、当然、目線も上がる。古川のなかに“箱根駅伝を走りたい”という思いがはっきりと芽生えていた。

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