昨季までエースだった千賀滉大がメッツに移籍する中、先発投手陣に懸念が残るソフトバンクにとっても大きな朗報だ。今季から投手陣を預かる斉藤和巳コーチも安どしていることだろう。

WBCでも活躍した宇田川ら“育成組”に要注目

　今季の阪神の開幕スタメンには、中央大からドラフト1位で入団した森下翔太が6番右翼で抜擢され、2戦目で初安打を打った。開幕第2戦では日体大から日本ハムにドラフト1位で入団した矢澤宏太が1番右翼で起用され、初安打をマークしている。

　こうしたエリート選手の活躍も楽しみではあるが、同時に、育成で入団して支配下登録、一軍昇格、そして開幕スタメンと険しい山を一つ一つ上ってきた、叩き上げの選手の今シーズンにも注目したい。

　茶野や藤井だけではない。ソフトバンクで初の開幕投手を務めた大関友久、WBCでも活躍した宇田川優希も育成上がりである。プロ入り時点で無印の選手たちが、才能を次々と開花させるのを見るのは清々しい。今季はどんな「育成上がり」のスター選手が登場するだろうか？

WBC戦士の宇田川もシーズン通じた活躍を見せられるか　©Naoya Sanuki

成績で見ても大関、藤井の好投ぶりが際立つ

【2023年3月31日～4月2日 週間成績】
〈パ・リーグ〉
　ソフトバンク3試3勝0敗0分 率1.000
　オリックス3試2勝1敗0分 率.667
　楽 天3試2勝1敗0分 率.667
　西 武3試1勝2敗0分 率.333
　日本ハム3試1勝2敗0分 率.333
　ロッテ3試0勝3敗0分 率.000

昨年同率で競り合ったソフトバンクとオリックスが順調に滑り出した。ロッテは未勝利。

〈打撃成績5傑（打撃の総合指標であるRC＝Run Create順）〉
　栗原陵矢（SB）12打5安2本6点 率.417 RC4.57
　中村晃（SB）8打5安1点 率.625 RC3.95
　中川圭太（オ）11打6安2点 率.545 RC3.89
　愛斗（西）12打5安1本1点1盗 率.417 RC3.75
　松本剛（日）10打4安 率.400 RC3.47

　ソフトバンク勢が好調。栗原は本塁打、打点もトップ。日本ハムの五十幡亮汰が2盗塁をマークした。

〈投手成績5傑（リーグ防御率に基づくPR＝Pitching Run順）〉
　大関友久（SB）1登1勝7回 責0率0PR2.13
　藤井皓哉（SB）1登1勝7回 責0率0PR2.13
　髙橋光成（西）1登8回 責1率1.13PR1.43
　平良海馬（西）1登7回 責1率1.29PR1.13
　西口直人（楽）3登3H3回 責0率0.00PR0.91

　大関、藤井と育成から抜擢されたソフトバンクの2投手が7回零封で1位に。前述した先発転向の西武・平良も結果を出した。楽天の西口は3連投で早くも3ホールドを挙げている。同じく楽天の宋家豪は2ホールドをマークした。

【次ページ】　WBC戦士・山田哲人が早くも3盗塁をマーク