甲子園の風BACK NUMBER
涙の大阪桐蔭…西谷監督は“負け直後の円陣”で何を語った? エース前田悠伍が挙げた敗因と「打てないチーム」と思えないポテンシャル
text by
間淳Jun Aida
photograph byNanae Suzuki
posted2023/04/03 17:02
春連覇こそ逃したが、西谷浩一監督と大阪桐蔭の選手たちなら、夏に向けて力をさらに磨き上げてくるはず
この試合、大阪桐蔭はエースの前田投手を7回途中に投入した。1点差に迫られて、なおもノーアウト一、三塁と厳しい場面だった。最初の打者にタイムリーを許して同点とされ、8回には2点を失った。2日前の東海大菅生戦で134球を投げた疲労は抜けていなかった。前田投手には珍しい明らかなボール球もあり、直球も変化球も思うようなところへコントロールできなかった。
エース前田が語った「成長できるチャンス」
目標に掲げていた春連覇は成し遂げられなかった。しかし、前田投手に悲壮感はない。試合後、真っすぐ前を向き取材に応じていた。
「悪い流れを止めるのがエース。自分には実力が足りていませんでした。でも、まだ終わっていません。夏に向けて自分自身もチームも成長できるチャンスだと思っています」
大阪桐蔭のセンバツは終わった。同時に、夏の甲子園で頂点に立つスタートを切った。「自分たちは打てないチーム」。その言葉は、打てるチームになる可能性を秘めている。
(つづく)
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