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三笘薫=31.9億円で12倍増だけど、ナゼ日本人最高は鎌田大地43億円? ドイツ人担当者に質問「そもそも“市場価値”はどう決める?」
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byReuters/AFLO
posted2023/03/31 17:01
プレミアリーグで躍進するブライトンの象徴となった三笘薫。日本代表合流前のFA杯でもゴールを決めている
――三笘選手は誰と比較されたのでしょうか?
ブッシュ:今年1月にサウサンプトンに加入したカマルディーン・スレマナ(ガーナ代表)やエバートンのデマレイ・グレイ(元イングランドU21代表)ですね。2人とも右利きのウイングの選手で、「市場価値」はスレマナが2200万ユーロ、グレイが2000万ユーロです。
今の活躍を見ると、序列はすぐに変わるのではないでしょうか。スレマナとグレイの「市場価値」はここ1年微増か横ばいに留まっていますが、三笘はこの数カ月で急上昇している。
私たちは基本的に年に2回、「市場価値」を更新しているのですが、次の6月の更新で三笘の価値はさらに上がる可能性があります。すでに信頼できるソースから『2つのビッグクラブが三笘をリストアップした』という情報が届いています。
――どのビッグクラブでしょうか?
ブッシュ:私たちもクラブ名まではつかめていません。ただ、かなり信頼できるソースですよ。
鎌田は日本人最高の“3000万ユーロ”
――最新の日本人選手の「市場価値」ランキングを教えてください。
シュバルツ:私たちのサイトを見たらすぐにわかるのですが、1位鎌田大地3000万ユーロ(43億5000万年)、2位冨安健洋2500万ユーロ(36億2000万円)、3位三笘薫2200万ユーロ(31億9000万円)、4位堂安律、久保建英ともに1500万ユーロ(21億7000万円)、6位板倉滉1200万ユーロ(17億4000万円)、7位守田英正、伊東純也ともに1000万ユーロ(14億5000万円)となっています。
よく誤解されるのでひとつ補足すると、「市場価値」は移籍金を予想するものではありません。先程説明したようにあくまで市場全体における価値で、他の選手との比較によって決まります。将来性が加味されていて、若い方が「市場価値」は高くなる傾向があります。
ちなみに日本選手における歴代最高は、現在の鎌田選手と2020年時点の久保選手の3000万ユーロです。
――今季のプレミアリーグの活躍を見ると、三笘選手は鎌田選手より「市場価値」が高いのではと思いました。なぜ鎌田選手の方が上なのでしょうか?
ブッシュ:もちろん三笘選手の最近の活躍は特筆に値しますが、まだトップリーグで数カ月間プレーしたにすぎません。昨季はベルギーにいて、まだCLやELの経験はありません。
それに対して鎌田選手は2019年からコンスタントにブンデスリーガでプレーし、昨季はELで優勝しました。今季CLでも活躍しましたよね。すでにトップリーグと国際舞台で長期間に渡って力を証明していることが、3000万ユーロという金額につながっています。