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大谷翔平なら「3割30本20盗塁、2ケタ勝利と奪三振王でサイ・ヤング賞+MVP」イケるのでは…“WBCに続く超成績”を予想したくなる根拠 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2023/04/01 11:01

大谷翔平なら「3割30本20盗塁、2ケタ勝利と奪三振王でサイ・ヤング賞+MVP」イケるのでは…“WBCに続く超成績”を予想したくなる根拠<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

WBCでMVPを獲得した大谷翔平。投打で再びマンガもビックリの活躍を見せれば、2023シーズンのMLBでもMVPを狙えるポテンシャルはある

〈3.ベースの大型化〉
 これは盗塁時に走者が野手と交錯するなどの接触プレーのアクシデントを軽減するための措置だ。一、二、三塁ベースのサイズは15インチ(約38.1cm)四方から18インチ(約45.7cm)四方になる。

 その結果、本塁から一塁までの距離は3インチ(7.6cm)短くなる。単純に考えて、打者にとっては有利だし、盗塁も増加することが予想される。

 オープン戦での1試合当たりの盗塁数は0.86個、盗塁成功率は79.0%、昨年レギュラーシーズンは0.51個、盗塁成功率は75.4%だった。成功率もやや上がっているが、企図数が増えていることに注目だ。

 大谷は駿足で、走るのが大好きだから、盗塁は増える可能性はある。ただ首脳陣は「打って投げて」で十分だと思っているはずで「怪我のリスク」を考えれば自重を求める可能性はある。

エンゼルスは今季、投打で大型補強を果たした

〈4.投打での新戦力の加入〉
 エンゼルスは今季、投打で大型補強をした。ブルワーズから昨年29本塁打72打点の右翼手ハンター・レンフローを獲得。また昨年ユーティリティ部門でシルバースラッガー賞(打撃のベストナイン)に選ばれた28本塁打87打点のブランドン・ドルーリーも獲得。大型契約以降くすぶっていたアンソニー・レンドン、さらにはマイク・トラウトも元気で、打線が非常に強化されている。大谷へのプレッシャーは分散されるはずだ。

 さらに、投手陣でもドジャースから技巧派左腕で昨年15勝したタイラー・アンダーソンが加入。救援でもレンジャーズから63登板で5セーブ14ホールド防御率1.95のマット・ムーアが加入。リーグ優勝を本気で狙える陣容が整った。大谷のモチベーションも上がるはずだ。

〈5.ピッチクロック〉
 今季からMLBでは投手は捕手からボールを受け取って15秒以内に投球しなければならなくなる。「公認野球規則」には「12秒以内に投げる」とあり、これまで守られてこなかった規制を改めて守らせた形だが、試合時間が短縮するなど大きな変化をもたらしている。

 大谷はピッチクロック下のオープン戦ではWBC前の2月28日のアスレチックス戦で2.1回を投げただけ。2四球を与えたが無失点。18球を投げてストライクが10球だった。それでも努力家の大谷は現地時間3月30日、アスレチックスとの開幕戦で適応した印象で、ピッチクロック対策はしっかり準備してきたのではないか。

 なおピッチクロックでは「打者は8秒以内に打席に立つ」、さらに「3回目の牽制球で走者を刺せなかった場合は、走者が進塁する」というルールも導入された。それが打者と走者にも大きな影響が出ていて、オープン戦の防御率は4.79、昨年のレギュラーシーズンは3.96だった。まだ投手が調整中とはいえ、打高に振れるのは間違いないだろう。ただ1試合当たりの本塁打数は今年のオープン戦が1.11、昨レギュラーが1.07だからそれほど大きな変化はない。本塁打ではなく安打での出塁が増え、それが投手成績に影響しそうな感じだ。

これらの要素を踏まえて、投打成績を予想すると…

 さて、これらを踏まえての大谷翔平の今季の投打成績の予想である。

【次ページ】 これらの要素を踏まえて、投打成績を予想すると…

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