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大谷翔平なら「3割30本20盗塁、2ケタ勝利と奪三振王でサイ・ヤング賞+MVP」イケるのでは…“WBCに続く超成績”を予想したくなる根拠
posted2023/04/01 11:01
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Naoya Sanuki
筆者は過去2年、大谷翔平のシーズン成績を予想してきた。過去の予想と結果を並べるとともに、2023年の予想をする。
21年:打者としての予想を大きく上回った
【2021年】
<投手成績>
予想:23登板8勝4敗127回13被本塁打70与四球160奪三振 防御率4.00
結果:23登板9勝2敗130.1回15被本塁打44与四球156奪三振 防御率3.18
<打者成績>
予想:140試合608打数180安打35本塁打80打点15盗塁60四球 打率.296
結果:155試合537打数138安打46本塁打100打点26盗塁96四球 打率.257
2018年10月にトミー・ジョン手術を受け、翌2019年は打者としてのみプレー、2020年は大谷のために「二刀流(Two-Way Player)」というポジションが新たに設けられたが、この年はコロナ禍でショートシーズンとなり、大谷自身も右肘の屈曲回内筋を痛めるなど万全ではなかった。
2021年、はじめて投打でのフル出場が可能になった。NPB時代は規定投球回数には2回到達しているが、打者としては未達で382打席が最多、投手としての比率が大きかった。
しかしMLBで打者・大谷は驚異的な成長を見せ、この年、規定打席に到達、本塁打王争いをしてア・リーグ3位の46本塁打、リーグ13位の100打点。投手としても9勝を挙げ、圧倒的な得票でMVPを獲得した。「二刀流・大谷翔平」はこの年完成したと言っても良いだろう。
筆者の予想は、投手としてはいい線をいっているが、打者に関しては大きく上回った。当時「筆者にも常識というものがある」と書いた記憶があるが、打者としてこの成績は、まさに常識の範疇から大きく外れたものだった。
22年:スライダー、ツーシームなど投手として長足の進歩
【2022年】
<投手成績>
予想:27登板15勝3敗172回22被本塁打22与四球179奪三振 防御率2.85
結果:28登板15勝9敗166回14被本塁打44与四球219奪三振 防御率2.33
<打者成績>
予想:150試合506打数135安打35本塁打79打点30盗塁120四球 打率.267
結果:157試合586打数160安打34本塁打95打点11盗塁72四球 打率.273
大谷の僚友にしてMLB最強打者と言われるマイク・トラウトは前年、故障で36試合しか出場しなかった。しかし2022年は119試合に出場。大谷へのマークが分散し、勝負されるようになり四球数が減った。それとともに大谷の打撃は徹底的にマークされ、本塁打数は減少。MLB使用球の反発係数が低下したことも影響したのかもしれない。それでもリーグ4位の34本塁打、リーグ7位の95打点を挙げた。
一方、投手としては長足の進歩があった。