「村上宗隆は“重圧をはねのけたから”すんなりいく」山崎武司が語る“56本塁打→WBC後の展望”と「村上級に期待」中日の有望打者2人 

　セ・パ両リーグでホームラン王のタイトルを獲得した山崎さんが絶賛する逸材。打撃の技術は注文を付けるところがない。数少ない不安要素は、シーズンを戦い抜く体力と怪我をしない体づくりにある。これは、プロで成功するために最も高いハードルとなり得る。プロ9年目で自身初の2桁ホームランを記録した遅咲きの山崎さんも、体の強さがなければ403本のアーチをかけることも、タイトルを手にすることもできなかった。

「石川選手は将来的にホームランを50本打てる力のある打者です。怪我なく1年間戦い抜ける体をつくれるかどうかで、スーパースターになれるのか、平凡な選手で終わってしまうのか変わってくると思います」

中日のドラ4捕手が「高卒のルーキーとは思えない技術」

　春季キャンプでは他にも、山崎さんの目に留まった選手がいる。福島県の聖光学院高校からドラフト4位で入団した新人の山浅龍之介捕手。高卒1年目でキャンプの一軍メンバーに入った。打てる捕手として期待される山浅の打撃を実際に見た山崎さんは「内角のさばき方が上手く、変化球への対応力もあります。高卒のルーキーとは思えない技術で、打撃のセンスを感じさせる選手です」と評価した。

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　高卒の捕手では、大阪桐蔭高校からドラフト1位でDeNAに入った松尾汐恩捕手が高校時代の実績や注目度ではリードしている。だが、山崎さんは「現時点では山浅選手の方が上だと思っています。打撃も守備もポテンシャルが高い選手は一気に伸びます」と話した。

　ただ、能力が高くても、高卒1年目から一軍に定着できるほどプロの世界は甘くない。経験が問われる捕手は、なおさらだ。山崎さんは山浅について「数年後を楽しみにしている」と話し、現状の課題を指摘した。

「捕手としての素質を感じさせますが、今すぐに一軍で起用されるかというと、まだ投手を乗せる力が足りません。例えば、キャッチングで投手の気分が良くなるようなミット音を鳴らせていません。ワンバウンドの投球を止める時も、ワンテンポ遅れてしまいます。体で止めて後ろに逸らさないようにはできますが、ボールが体の前ではなく横に転がっていくケースが多いです。これは経験を積めば克服できるので、焦らずに1つ1つ課題をクリアしてほしいと思います」

村上の今シーズンについてはどう見ている？

WBCメキシコ戦での村上　©Naoya Sanuki

　春季キャンプで見た石川の打撃を「村上級」と表現した山崎さんだが、“本家”の今シーズンは、どのように予想しているのか。三冠王を獲得した翌年で他球団の警戒は強くなり、主力として出場し続けたWBCの影響も懸念されている。

　だが、山崎さんは「WBCの後は調子が落ちると言われることもありますが、あれだけの技術があれば問題ないと感じています。ホームランと打点は今シーズンもタイトルを獲る確率が非常に高いとみています」と話す。

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