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「開幕投手はドッキリかと…」新庄監督の“ご指名”から1年…WBC大勢に刺激もらった“教授”北山亘基が2年目の誓い「ファイターズの大黒柱に」
posted2023/03/29 17:14
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph by
Sankei Shimbun
細身な身体でも凛とした立ち姿がマウンドで映える。北海道日本ハムファイターズの右腕・北山亘基(23歳)のことだ。
昨シーズン、まだ“BIGBOSS”だった新庄剛志監督から開幕投手という大役を託された。その後はシーズン通して勝利パターンの一役を担い、3勝5敗16ホールド9セーブ。ルーキーながら上々のスタートを切っている。2年目のシーズンインも手応えを掴んでいる様子だった。
「去年の経験を踏まえて、良い感じでやれていると思います。(昨季のシーズン後)10月終わりくらいに抜け殻みたいな時期があったんです。フェニックス・リーグの最後に少しだけ投げたんですが、その後に熱を出してしまって。疲れもあったと思いますが、以降はしっかり身体を休めることができました。年明けから地元(京都)で自主トレもやってきて、そのままいい感じでキャンプに入れました」
昨季の今頃は開幕投手「最初はドッキリかと」
昨季はチームトップの55試合に登板。身体の疲労よりも「精神的な疲れがあった」。何より、史上14人目の新人開幕投手に任命された時は、まさに“寝耳に水”だったという。
「確か開幕の5日前くらいだったと思います。オープン戦の最終戦の日に食堂でご飯を食べている時に、(新庄)監督からインスタグラムのメッセージが来て。(内容を見た瞬間)手が震えました。最初はドッキリじゃないかと思っていたんですけれど(笑)、食事後に聞いたらコーチは知らされていたみたいでした」
だが、意外にも気持ちが大きく高ぶることはなかった。
「(正式に契約した)12月からずっと継続して準備はしてきたつもりでした。しっかりやってきた自信があったので、こんなチャンスはない、と。冷静に考えたらあり得ないような話ですよね。でも、プロに入るだけが目的ではなく、プロに入ってどれだけ活躍できるかが目標だったので、開幕投手になった以上はやれることはしっかりやろうという気持ちでした」